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「心の復興は終わることはありません」楽天、ベガルタ、89ERS、いわきFC、モンテディオ、グルージャ、ブラウブリッツ… “3.11”に決意新た「大震災を経験したクラブだからこそ」

THE DIGEST編集部

2024.03.12

2011年4月23日に行なわれた東日本大震災に伴うリーグ戦中断明けの初戦で、ベガルタ仙台は87分のゴールで川崎フロンターレに逆転勝ち。FKで決勝点をアシストしたのは梁勇基だった。写真:THE DIGEST写真部

 2011年3月11日から13年。東北や関東のさまざまなプロスポーツチームが、東日本大震災の犠牲者に黙とうを捧げ、被災者を見舞い、そしてさらなる飛躍を誓っている。

【動画】東日本大震災に伴うJリーグ中断明けの初戦で、クラブも甚大な被害を受けたベガルタ仙台が川崎フロンターレに逆転勝利。この一戦は「J30ベストアウォーズ BEST MATCH」に選ばれた

 プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスは、「"がんばろう東北"をスローガンに掲げ、東日本大震災による災害の記憶や教訓を風化させることなく、未来へ、次世代へと着実につなげていくため、さまざまな活動を続けています。東北に寄り添い、多くの皆さまに笑顔と感動を届けるとともに希望の光となることができるよう、真摯に取り組みを続けてまいります」と表明した。

 Jリーグのベガルタ仙台はチーム・スタッフ全員で黙祷し、当時を知る梁勇基クラブコーディネーターと富田晋伍クラブコミュニケーターが市内の献花場で献花。梁C.Dは、「本当に忘れられない、忘れてはいけない出来事だと再認識した。このクラブで戦う以上は、いろんなものを背負って戦うと伝えていきたい」と語り、富田C.Cは「自分たちが被災地のクラブとして戦っていく以上、大事な一日だと思う。当時はサッカーができる状況が当たり前ではない中で、サッカーをさせてもらっていた」と振り返った。
 
 バスケットボール・Bリーグの仙台89ERSは、11日に震災遺構の仙台市立荒浜小学校を見学。震災を経験した志村雄彦社長が当時の様子、チームが存在する役割や意義をあらためて選手に伝えた。志村社長は「多くの悲しみと深い痛みの中、13年間かけてまちは手を取り合い思いやりの心を持ち、前に進み続け、未来に向かって歩んできた。これまでの歩みに感謝の気持ちを込め、皆様と一緒に明るい未来を目指す」と表明している。

 宮城県沿岸部の多賀城市や七ヶ浜町を拠点に活動するJFLのソニー仙台FCは、「当時、全国各地から本当に多くのご支援をいただき、ソニー仙台FCは今も活動することが出来ています。私たちは感謝の気持ちを忘れることなく、これからも全力で戦ってまいります」とXに投稿した。

 最大14.8メートルの津波が襲い、町の住宅の約9割にあたる約3900棟が被害を受けた宮城県の沿岸部、女川町を本拠地とするコバルトーレ女川は、「仲間と一緒にサッカーが出来ること、サッカーをきっかけに女川に集えたこと、チームを支えた歴代選手・スタッフとライバルの東北チームにリスペクト。女川へ全国のサッカーファミリーやサポーターに訪れてもらえるよう"感謝の思い"を強く持ってJFL昇格を目指します」と発信している。

 また、バレーボール・Vリーグ女子のリガーレ仙台は、「3.11、東北を元気に。皆さんのこれからが昇華しますように」と綴り、日本フットサルリーグのヴォスクオーレ仙台は、「震災の被害を風化させないためにも、今なおピッチに立たせていただいている事に感謝し、観ていただいている方たちに勇気を与えるプレーを、そして勝利を届けるために最後のブザーが鳴るその時までチーム一丸となり全力で戦います」と表明した。
 
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「あの日を忘れずに、そして、能登半島地震への思いも胸に」