欧州の主要リーグがシーズンの折り返しを迎えるタイミングで、移籍市場も活況を呈するなか、ビッグニュースが飛び込んできた。南野拓実がリバプールと正式契約――。
なぜリバプールは南野の獲得を望んだのか。英メディアによると、クラブはザルツブルク加入前、つまりC大阪在籍時から南野の動向を追っていたという。さらに、キーマンになったのがクロップ監督で、同氏も近年はこの日本代表アタッカーに注目していたようだ。
そのクロップ監督が強調しているのが、南野の「スペースを見つける巧さ」。相手のMFとDFの間や、CBとSBの間にできるスペースに侵入して、スルーパスを引き出す。パスを受けてからのフィニッシュワークにも優れ、精度の高いシュートでゴールを呼び込む。
それだけではない。味方のほうがゴールに近いと見れば、自身が囮となってチャンスを演出する。実際、ザルツブルクでは、南野がゴール前でボールに絡むことで攻撃のバリエーションは格段に増えた。こうした潤滑油のような働きを、クロップ監督も期待しているのだろう。
リバプールは高いインテンシティとともに前線からプレスをかけ、ボールを奪ったら素早く攻撃を仕掛ける。ウイングにはサラーやマネといったスピードスターが君臨し、縦に速いサッカーで敵を圧倒している。こうしたアタックにアクセントを加えているのがCFのフィルミーノで、柔らかいタッチと優れたパスセンスで攻撃に幅を持たせている。だが、このフィルミーノが欠場すると、攻撃のバリエーションが低下する傾向にある。
だからこそ、南野を獲得したのだろう。CFの代役として、ではない。基本システム4 -3 -3の3トップの両翼、もしくはインサイドハーフで南野を起用し、縦に速いサッカーに化学反応を起こそうとしているのではないか。フィルミーノと同時起用するプランもありそうだ。
南野の強みは、MFとして優れた技術を持ちながら、FWとしても力を発揮できる点にある。まずは控えからのスタートになりそうだが、リバプールでの熾烈なポジション争いや試合経験を糧に、どこまで飛躍していくのか注目だ。
文●田嶋コウスケ(フリーライター)
※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載
なぜリバプールは南野の獲得を望んだのか。英メディアによると、クラブはザルツブルク加入前、つまりC大阪在籍時から南野の動向を追っていたという。さらに、キーマンになったのがクロップ監督で、同氏も近年はこの日本代表アタッカーに注目していたようだ。
そのクロップ監督が強調しているのが、南野の「スペースを見つける巧さ」。相手のMFとDFの間や、CBとSBの間にできるスペースに侵入して、スルーパスを引き出す。パスを受けてからのフィニッシュワークにも優れ、精度の高いシュートでゴールを呼び込む。
それだけではない。味方のほうがゴールに近いと見れば、自身が囮となってチャンスを演出する。実際、ザルツブルクでは、南野がゴール前でボールに絡むことで攻撃のバリエーションは格段に増えた。こうした潤滑油のような働きを、クロップ監督も期待しているのだろう。
リバプールは高いインテンシティとともに前線からプレスをかけ、ボールを奪ったら素早く攻撃を仕掛ける。ウイングにはサラーやマネといったスピードスターが君臨し、縦に速いサッカーで敵を圧倒している。こうしたアタックにアクセントを加えているのがCFのフィルミーノで、柔らかいタッチと優れたパスセンスで攻撃に幅を持たせている。だが、このフィルミーノが欠場すると、攻撃のバリエーションが低下する傾向にある。
だからこそ、南野を獲得したのだろう。CFの代役として、ではない。基本システム4 -3 -3の3トップの両翼、もしくはインサイドハーフで南野を起用し、縦に速いサッカーに化学反応を起こそうとしているのではないか。フィルミーノと同時起用するプランもありそうだ。
南野の強みは、MFとして優れた技術を持ちながら、FWとしても力を発揮できる点にある。まずは控えからのスタートになりそうだが、リバプールでの熾烈なポジション争いや試合経験を糧に、どこまで飛躍していくのか注目だ。
文●田嶋コウスケ(フリーライター)
※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載