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海外サッカー

クロップ監督が南野拓実の獲得に乗り出した理由は?リバプール移籍後のポジション、起用法は?

田嶋コウスケ

2020.01.01

5年所属したザルツブルクでは9つのタイトル獲得に貢献した南野。(C)Getty Images

5年所属したザルツブルクでは9つのタイトル獲得に貢献した南野。(C)Getty Images

 欧州の主要リーグがシーズンの折り返しを迎えるタイミングで、移籍市場も活況を呈するなか、ビッグニュースが飛び込んできた。南野拓実がリバプールと正式契約――。

 なぜリバプールは南野の獲得を望んだのか。英メディアによると、クラブはザルツブルク加入前、つまりC大阪在籍時から南野の動向を追っていたという。さらに、キーマンになったのがクロップ監督で、同氏も近年はこの日本代表アタッカーに注目していたようだ。

 そのクロップ監督が強調しているのが、南野の「スペースを見つける巧さ」。相手のMFとDFの間や、CBとSBの間にできるスペースに侵入して、スルーパスを引き出す。パスを受けてからのフィニッシュワークにも優れ、精度の高いシュートでゴールを呼び込む。

 それだけではない。味方のほうがゴールに近いと見れば、自身が囮となってチャンスを演出する。実際、ザルツブルクでは、南野がゴール前でボールに絡むことで攻撃のバリエーションは格段に増えた。こうした潤滑油のような働きを、クロップ監督も期待しているのだろう。
 
 リバプールは高いインテンシティとともに前線からプレスをかけ、ボールを奪ったら素早く攻撃を仕掛ける。ウイングにはサラーやマネといったスピードスターが君臨し、縦に速いサッカーで敵を圧倒している。こうしたアタックにアクセントを加えているのがCFのフィルミーノで、柔らかいタッチと優れたパスセンスで攻撃に幅を持たせている。だが、このフィルミーノが欠場すると、攻撃のバリエーションが低下する傾向にある。

 だからこそ、南野を獲得したのだろう。CFの代役として、ではない。基本システム4 -3 -3の3トップの両翼、もしくはインサイドハーフで南野を起用し、縦に速いサッカーに化学反応を起こそうとしているのではないか。フィルミーノと同時起用するプランもありそうだ。

 南野の強みは、MFとして優れた技術を持ちながら、FWとしても力を発揮できる点にある。まずは控えからのスタートになりそうだが、リバプールでの熾烈なポジション争いや試合経験を糧に、どこまで飛躍していくのか注目だ。

文●田嶋コウスケ(フリーライター)

※『サッカーダイジェスト』2020年1月9日号より転載
 
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