パラダイムシフト――。スペイン紙『AS』は、5月29日にハンジ・フリック監督の招聘を正式発表したバルセロナの方向転換を、こう表現している。
たしかにもう随分長く、バルサではクライフイズムの流れをくむ指導者がチームを率いてきた。ジョアン・ラポルタ現会長の第一次政権が誕生した2003-2004シーズン以降を見ても、ジョゼップ・グアルディオラ、ルイス・エンリケ、エルネスト・バルベルデ、ロナルド・クーマン、シャビはいずれもクラブOBで、フランク・ライカールトはヨハン・クライフと同じオランダ&アヤックス出身。ティト・ビラノバは内部昇格で、キケ・セティエンはクライフ信奉者を自認している。アルゼンチン人のヘラルド・マルティーノも、クライフイズムとのマッチングを鑑みて招聘された指揮官だった。
その点フリックは、過去にバルサやクライフとの繋がりはなく、フットボールの哲学や考え方、価値観が大きく異なる。そのため従来であれば、反発の声が上がっても不思議ではないが、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』はファンの反応はおおむね歓迎ムードと伝えている。
ラポルタとシャビがフロントと現場に君臨していたときのバルサは、感情論がとかく先行しがちだった。もっともバルサは、もともとそういうクラブだ。バルサが好きすぎる人間が内外にたむろし、それが強みになることもあれば、弱みになることもある。そして近年は、クライフがかつて「周辺」と命名した外野の声が大きなうねりとなって、クラブとチームを巻き込む度合いが高まっていた。
『AS』紙は、そうした内輪もめが続く鬱屈とした部屋の窓を開けて新鮮な空気を取り入れるために、ラポルタとデコ(スポーツディレクター)はフリックを招聘したと伝えている。過去との決別ではもちろんないが、流れを変える必要性を感じ、かねてからドイツ人監督の招聘を目指していたラポルタの意向も重ねって、フリーだったフリックに白羽の矢が立てられた。
もちろん、なかには懐疑的な見方をする者も存在する。焦点となるのは、やはりどんなサッカーを展開するかという点だ。
たしかにもう随分長く、バルサではクライフイズムの流れをくむ指導者がチームを率いてきた。ジョアン・ラポルタ現会長の第一次政権が誕生した2003-2004シーズン以降を見ても、ジョゼップ・グアルディオラ、ルイス・エンリケ、エルネスト・バルベルデ、ロナルド・クーマン、シャビはいずれもクラブOBで、フランク・ライカールトはヨハン・クライフと同じオランダ&アヤックス出身。ティト・ビラノバは内部昇格で、キケ・セティエンはクライフ信奉者を自認している。アルゼンチン人のヘラルド・マルティーノも、クライフイズムとのマッチングを鑑みて招聘された指揮官だった。
その点フリックは、過去にバルサやクライフとの繋がりはなく、フットボールの哲学や考え方、価値観が大きく異なる。そのため従来であれば、反発の声が上がっても不思議ではないが、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』はファンの反応はおおむね歓迎ムードと伝えている。
ラポルタとシャビがフロントと現場に君臨していたときのバルサは、感情論がとかく先行しがちだった。もっともバルサは、もともとそういうクラブだ。バルサが好きすぎる人間が内外にたむろし、それが強みになることもあれば、弱みになることもある。そして近年は、クライフがかつて「周辺」と命名した外野の声が大きなうねりとなって、クラブとチームを巻き込む度合いが高まっていた。
『AS』紙は、そうした内輪もめが続く鬱屈とした部屋の窓を開けて新鮮な空気を取り入れるために、ラポルタとデコ(スポーツディレクター)はフリックを招聘したと伝えている。過去との決別ではもちろんないが、流れを変える必要性を感じ、かねてからドイツ人監督の招聘を目指していたラポルタの意向も重ねって、フリーだったフリックに白羽の矢が立てられた。
もちろん、なかには懐疑的な見方をする者も存在する。焦点となるのは、やはりどんなサッカーを展開するかという点だ。
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