専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

“クライフイズム”とは無縁のフリック監督招聘でバルサに新時代到来!「鬱屈とした部屋の窓を開けて新鮮な空気を取り入れるために」現地の反応はおおむね歓迎ムード

下村正幸

2024.06.02

 フリックと言えば、バイエルン時代に見せていた前線からの激しいプレッシングとゴールに向かう縦への推進力を組み合わせた攻撃的なサッカーが記憶に新しい。ただ参考資料となるのは、そのバイエルンとその後に指揮したドイツ代表のみ。フリックは選手の個性に合わせて、そうしたサッカーを志向したと考えることもでき、中盤がテクニシャン揃いのバルサに必ずしも同じスタイルを植え付けるとは限らない。

 もちろん補強でそのフィジカル面での不足をカバーすることはできるが、スペイン紙『スポルト』によると、フリックは現有戦力に満足しているという。デコとの間で最優先事項は、主力の流出阻止という点で一致しており。その中に今夏、換金候補の最右翼に挙がっていたロナルド・アラウホやフレンキー・デ・ヨングも含まれている。そのためなら、補強がピンポイントに留まることになっても受け入れる姿勢を示しているという。

 現有戦力の中では、ロベルト・レバンドフスキやイルカイ・ギュンドアンといった過去にフリックが指導した選手を重用する考えで、シャビに冷遇されていたヴィトール・ロッキもチャンスを与えられるかもしれない。
 
 一方、補強ターゲットに挙げているのは、バイエルン時代に指導したヨシュア・キミッヒとキングスレイ・コマンだ。また、『AS』紙によると、デコはラフィーニャを売却して、左ウイングにルイス・ディアス(リバプール)の獲得を夢見ているという。

 シャビの解任劇を経て、逆風の中での船出となるのは確かだが、フリックの就任で風向きは変わりつつある。二転三転した監督人事の説明責任を求める声が出ているラポルタの思惑通りになっているが、もちろんすべてはこれからだ。

 新監督の友人であるローター・マテウスによると、フリックは家族と一緒に何度も夏のバカンスを過ごすほどのスペイン好きで、バルサの監督就任を見越してスペイン語を勉強しているという報道は早くから現地で出ていた。

 バルサは「周辺」に侵されていないドイツ人監督の下で、再スタートを切った。

文●下村正幸

【動画】バルサ新監督、ハンジ・フリックのインタビュー
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号