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レスター、ボルシアMG、 R・ソシエダ!躍進クラブのポテンシャルを鑑定

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2020.01.31

24節終了時点でプレミアリーグ3位のレスター。ゴールとアシストで攻撃陣を牽引するマディソン(左)とヴァーディー(右)はチームに欠かせないピースだ。(C)Getty Images

 前半戦の欧州各国リーグで目覚ましい躍進を遂げたクラブにスポットライトを当てる。レスター、R・ソシエダ、そしてボルシアMG。彼らの快進撃は、はたしてどこまで続くのか――。後半戦に向けた課題を炙り出し、ポテンシャルを鑑定する。

■レスター この勢いのまま走り抜ける可能性も十分
プレミアリーグ成績:3位(15勝3分6敗/52得点・24失点)

 24節終了時点のプレミアリーグで望外の3位。この大躍進を支えているのは、高い完成度を誇るポゼッションスタイルだ。前任のピュエルが採り入れ、19年2月に指揮を引き継いだロジャースが進化させた繋ぐサッカーが猛威を振るっている。

 称賛に値するのが、17ゴールを挙げているヴァーディーだ。カウンターで本領を発揮するタイプという評価は過去のもの。多彩なシュートスキルを存分に見せつけている。最終ラインで抜群の存在感を放っているのが、殻を突き破ったチャーラルだ。球際の強さと鋭い読みを駆使した守備で貢献しているだけでなく、足下の技術を活かして後方からのビルドアップでも重要な役割を担っている。最終ラインをプロテクトしながら安定したパスワークでリズムを生み出しているアンカーのディディ、ゴールとアシストで攻撃陣を牽引するマディソンも、チームに欠かせないピースだ。
 

 リバプールとマンCに敗れたとはいえ、トッテナム(2-1)、アーセナル(2-0)、チェルシー(1-1)と互角以上に渡り合った事実が指し示すのは、レスターの確かな実力だ。一時的な勢いでは、もはやないだろう。

 後半戦に向けた懸念は疲労の蓄積だ。選手層が厚いわけでは決してない。とくにCFのヴァーディーと最終ラインの4人はほぼ固定して戦っており、不測の事態に見舞われた場合にクオリティーを大きく落とす危険がある。

 前線に関して言えば、希望の光はイヘアナチョ。長く伸び悩んでいたものの、12月に入ってから重要な仕事を連発しており、ブレイクの予感が漂う。自信を深め、その才能を全面開花できれば、ヴァーディーの負担軽減に繋がるはずだ。

 20代前半のエネルギッシュな若手が中心のチームだけに、この勢いのまま走り抜ける可能性もゼロではない。首位を独走するリバプールには届かなくとも、CL出場圏内の4位はもちろん、王者マンCを上回る2位でフィニッシュしても不思議はない。