ドイツメディア『Frankfurter Allgemeine Zeitung』は、加入1年目の佐野海舟のここまでのパフォーマンスを「今シーズンのブンデスリーガにおけるマインツの最大の発見のひとつ」と評している。
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欧州初挑戦、しかも不同意性交容疑で逮捕(その後、不起訴処分に)された事件の影響で、心身ともに十分な準備ができず、キャンプに合流したのは8月を迎えてからだった。しかし、「最初の数日間、彼はコーチ陣やチームメイトを驚かせた。練習の強度に徐々に合わせていくのではなく、4週間の(強制的な)休養を挟んだ影響もまるで見られなかった」と『Frankfurter Allgemeine Zeitung』が伝えるように、早々に自慢の屈強なフィジカルをアピール。16日、DFBポカールの1回戦、敵地での3部ヴェーエン・ヴィースバーデン戦において公式戦スタメンを飾ると、120分間フル出場してチームの勝利(3-1)に貢献した。1週後に開幕したブンデスリーガでも、開幕節のウニオン・ベルリン戦を皮切りにこれまで全試合スタメン出場を果たしている。
ドイツメディア『Allgemeine Zeitung』のインタビューで「ドイツ語はとても難しいから、まずは英語の習得に集中している。学校で学んだことを必死に思い出しているところだ」と本人が語るコミュニケーションのハンデを、「(ドイツ語を)まったく理解してない様子なのにね。しかも難しい状況で合流し、いきなりチームに放り込まれた。とてもクレバーなんだろう」と24歳のFWヨナタン・ブルカルトも舌を巻くその卓越した戦術理解力でカバーした結果でもあった。
そのうえ、まだまだ伸びしろがあることは衆目の一致したところであり、ブルカルトは「おそらくチームの中で最もポテンシャルのある選手だ」と太鼓判を押す。
中でもブルカルトが着目するのがスピードとスタミナで、「あのポジションで、あれだけの距離を、あれだけのペースで走れる選手は滅多にいない。クレイジーだよ」とこれまた舌を巻く。『Frankfurter Allgemeine Zeitung』によると1月19日時点で、ブンデスリーガでは1試合の平均走行距離 11.5㎞、最高速度34㎞以上を記録しているという。
ボー・ヘンリクセン監督が「大きなきっかけになった」と振り返るのが、佐野と彼の通訳、中盤でコンビを組むナディエム・アミリを集めて行なったミーティングで、指揮官はその場で「君たち2人が協力しあうことは我々にとってものすごく大事なことだ。お互いに声をかけあって、コミュニケーションを密に取ってほしい」と伝えたという。実際その日を境に「攻撃においてもどんどん良くなっている。後ろ方向へのパスばかりだったのが、縦方向にもパスを出すようになった」と変化が見られると指摘する。
寡黙な佐野だが、35分間続いたそのミーティング中は笑顔を浮かべていたそうで、ヘンリクセン監督は「彼のような内向型の選手を笑わせるのは難しい。でもその時、初めて『ここにいて幸せ』という気持ちが感じ取れた。今、ピッチの上でもそれは表われている」と語る。
一方の本人は前述のインタビューで、「最初は難しかった。もっとコミュニケーションが取れていれば、ピッチ上でもっとうまく解決できたこともあったと思う。今は随分改善された」と手応えとともに、昨夏ベンフィカに移籍した佐野の前任者、レアンドロ・バレイロを引き合いに出して、「僕も彼の領域に到達しなければならない。攻撃面でもっとインパクトを与えたいし、ゴールにも絡みたい」と課題も口にする。
1年目から周囲を驚嘆させる活躍を見せているが、それもまた佐野が持つ特大のポテンシャルの一端に過ぎない。ヘンリクセン監督も「ブンデスリーガはおろか、もっと大きな舞台で評価される選手になれる資質を秘めている」と期待を込める。
文●下村正幸
【動画】マインツ佐野海舟、フル出場! 19節シュツットガルト戦ハイライト
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欧州初挑戦、しかも不同意性交容疑で逮捕(その後、不起訴処分に)された事件の影響で、心身ともに十分な準備ができず、キャンプに合流したのは8月を迎えてからだった。しかし、「最初の数日間、彼はコーチ陣やチームメイトを驚かせた。練習の強度に徐々に合わせていくのではなく、4週間の(強制的な)休養を挟んだ影響もまるで見られなかった」と『Frankfurter Allgemeine Zeitung』が伝えるように、早々に自慢の屈強なフィジカルをアピール。16日、DFBポカールの1回戦、敵地での3部ヴェーエン・ヴィースバーデン戦において公式戦スタメンを飾ると、120分間フル出場してチームの勝利(3-1)に貢献した。1週後に開幕したブンデスリーガでも、開幕節のウニオン・ベルリン戦を皮切りにこれまで全試合スタメン出場を果たしている。
ドイツメディア『Allgemeine Zeitung』のインタビューで「ドイツ語はとても難しいから、まずは英語の習得に集中している。学校で学んだことを必死に思い出しているところだ」と本人が語るコミュニケーションのハンデを、「(ドイツ語を)まったく理解してない様子なのにね。しかも難しい状況で合流し、いきなりチームに放り込まれた。とてもクレバーなんだろう」と24歳のFWヨナタン・ブルカルトも舌を巻くその卓越した戦術理解力でカバーした結果でもあった。
そのうえ、まだまだ伸びしろがあることは衆目の一致したところであり、ブルカルトは「おそらくチームの中で最もポテンシャルのある選手だ」と太鼓判を押す。
中でもブルカルトが着目するのがスピードとスタミナで、「あのポジションで、あれだけの距離を、あれだけのペースで走れる選手は滅多にいない。クレイジーだよ」とこれまた舌を巻く。『Frankfurter Allgemeine Zeitung』によると1月19日時点で、ブンデスリーガでは1試合の平均走行距離 11.5㎞、最高速度34㎞以上を記録しているという。
ボー・ヘンリクセン監督が「大きなきっかけになった」と振り返るのが、佐野と彼の通訳、中盤でコンビを組むナディエム・アミリを集めて行なったミーティングで、指揮官はその場で「君たち2人が協力しあうことは我々にとってものすごく大事なことだ。お互いに声をかけあって、コミュニケーションを密に取ってほしい」と伝えたという。実際その日を境に「攻撃においてもどんどん良くなっている。後ろ方向へのパスばかりだったのが、縦方向にもパスを出すようになった」と変化が見られると指摘する。
寡黙な佐野だが、35分間続いたそのミーティング中は笑顔を浮かべていたそうで、ヘンリクセン監督は「彼のような内向型の選手を笑わせるのは難しい。でもその時、初めて『ここにいて幸せ』という気持ちが感じ取れた。今、ピッチの上でもそれは表われている」と語る。
一方の本人は前述のインタビューで、「最初は難しかった。もっとコミュニケーションが取れていれば、ピッチ上でもっとうまく解決できたこともあったと思う。今は随分改善された」と手応えとともに、昨夏ベンフィカに移籍した佐野の前任者、レアンドロ・バレイロを引き合いに出して、「僕も彼の領域に到達しなければならない。攻撃面でもっとインパクトを与えたいし、ゴールにも絡みたい」と課題も口にする。
1年目から周囲を驚嘆させる活躍を見せているが、それもまた佐野が持つ特大のポテンシャルの一端に過ぎない。ヘンリクセン監督も「ブンデスリーガはおろか、もっと大きな舞台で評価される選手になれる資質を秘めている」と期待を込める。
文●下村正幸
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