チャンピオンズリーグの準々決勝敗退を受けて、レアル・マドリーの監督問題が過熱してきた。
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それはイコール、現監督のカルロ・アンチェロッティの去就が揺らいでいる証でもある。バルセロナ寄りのスポーツ紙『スポルト』はその点について、「フィジカル面でも戦術面でも選手たちはポテンシャルを十分に発揮できていない。シーズン終盤を迎えるこの時期になっても、どのようにプレーすればいいかレクチャーを受けていないように見える。その責任はもちろん監督にある。力のある相手と対戦する時はとくにその傾向が顕著だ。選手らの絶望感が監督の求心力の低下という事態を招いている」と強調している。
マドリーとアンチェロッティ監督は2026年6月まで契約を結んでいるが、マドリー寄りのスポーツ紙『AS』も「ここから続投へと舵を切るには奇跡が必要。現状指揮官が置かれている立ち位置は『非常に困難』という表現すら控えめだ。クラブ内では、今が方向転換のタイミングと捉える空気が広がっている」と厳しい見通しを示し、その奇跡の可能性については「ラ・リーガとコパ・デル・レイの2冠を達成すれば、それが命綱となり、クラブW杯で指揮する資格を得て、事態はさらに過熱してくる」と予想する。裏を返せば、その2つのコンペティションの結果次第では、欧州サッカーのシーズン終了後にアメリカ合衆国で開催されるクラブW杯(6月14日~7月13日)の前に解任される可能性もあるということだ。
かねてから次期監督候補として一本化されているとの報道もあったシャビ・アロンソの動向に注目が集まっているが、そんな中、最近になって突然対抗馬が現われた。ユルゲン・クロップだ。1年間休養を取ると言い残して昨シーズン限りでリバプールの監督を退任し、1月にレッドブルのグローバルサッカー部門責任者に就任したばかりだが、やはりピッチが恋しいようで、『AS』は、「ブラジル代表やマドリーのような魅力的なプロジェクトを提示されれば、早期の現場復帰を視野に入れている」と伝えている。
一方、マドリーがクロップをリストアップするに至った背景にあるのが、同郷でもあるバルサのハンジ・フリックの存在だ。『スポルト』はそのマドリーの意図を「規律、戦う姿勢、戦術的なアイデンティティーといった側面でチームのカンフル剤となるとともに、フリック・バルサに打撃を与える上で完璧な人物になれると考えている」と解説。一方、アロンソについては「波のあるシーズンを送っている今シーズンのレバークーゼンの戦いぶりを見て、フロレンティーノ・ペレス会長は、重要な局面を迎えるチームの指揮を託すのに適したタイミングかどうか迷いが生じている」と指摘している。
クロップが現場に戻りたいと思う日が来れば、レッドブルとの間で便宜を図るという合意が交わされているように、アロンソの現行契約にもメガクラブからオファーが届いた場合、退任を容認するという特別条項のようなものが存在する。『AS』 によると、招聘する側のクラブは、レバークーゼンに一種の移籍金的なものとして1000万ユーロ(約161億円)程度を支払う必要があるが、マドリーにとって障壁となる額ではない。焦点となるのはアロンソの意向となるが、同紙は「サンティアゴ・ベルナベウのベンチに座ることを切望している」という親しい知人の話を紹介している。
一連の報道について、クロップの代理人は現職に満足しているとコメントし、火消しに走っているという。情報は錯綜している部分もあるが、一つ確かなのはアンチェロッティ監督が今なおキャスティングボードを握っていること。『AS』は待つしかないアロンソの今の心境を「静かな緊張感」と表現しているが、それはこの問題に関わる他の全ての人にも共通していることだろう。今週末、現地4月26日(日本時間27日)にアンチェロッティ監督にとって1つ目の“追試”となるバルセロナとのコパ・デル・レイ決勝戦が行なわれる。
文●下村正幸
【動画】ラ・リーガ32節マドリーがバルベルデのスーパーゴラッソ炸裂で優勝レースに生き残る!
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それはイコール、現監督のカルロ・アンチェロッティの去就が揺らいでいる証でもある。バルセロナ寄りのスポーツ紙『スポルト』はその点について、「フィジカル面でも戦術面でも選手たちはポテンシャルを十分に発揮できていない。シーズン終盤を迎えるこの時期になっても、どのようにプレーすればいいかレクチャーを受けていないように見える。その責任はもちろん監督にある。力のある相手と対戦する時はとくにその傾向が顕著だ。選手らの絶望感が監督の求心力の低下という事態を招いている」と強調している。
マドリーとアンチェロッティ監督は2026年6月まで契約を結んでいるが、マドリー寄りのスポーツ紙『AS』も「ここから続投へと舵を切るには奇跡が必要。現状指揮官が置かれている立ち位置は『非常に困難』という表現すら控えめだ。クラブ内では、今が方向転換のタイミングと捉える空気が広がっている」と厳しい見通しを示し、その奇跡の可能性については「ラ・リーガとコパ・デル・レイの2冠を達成すれば、それが命綱となり、クラブW杯で指揮する資格を得て、事態はさらに過熱してくる」と予想する。裏を返せば、その2つのコンペティションの結果次第では、欧州サッカーのシーズン終了後にアメリカ合衆国で開催されるクラブW杯(6月14日~7月13日)の前に解任される可能性もあるということだ。
かねてから次期監督候補として一本化されているとの報道もあったシャビ・アロンソの動向に注目が集まっているが、そんな中、最近になって突然対抗馬が現われた。ユルゲン・クロップだ。1年間休養を取ると言い残して昨シーズン限りでリバプールの監督を退任し、1月にレッドブルのグローバルサッカー部門責任者に就任したばかりだが、やはりピッチが恋しいようで、『AS』は、「ブラジル代表やマドリーのような魅力的なプロジェクトを提示されれば、早期の現場復帰を視野に入れている」と伝えている。
一方、マドリーがクロップをリストアップするに至った背景にあるのが、同郷でもあるバルサのハンジ・フリックの存在だ。『スポルト』はそのマドリーの意図を「規律、戦う姿勢、戦術的なアイデンティティーといった側面でチームのカンフル剤となるとともに、フリック・バルサに打撃を与える上で完璧な人物になれると考えている」と解説。一方、アロンソについては「波のあるシーズンを送っている今シーズンのレバークーゼンの戦いぶりを見て、フロレンティーノ・ペレス会長は、重要な局面を迎えるチームの指揮を託すのに適したタイミングかどうか迷いが生じている」と指摘している。
クロップが現場に戻りたいと思う日が来れば、レッドブルとの間で便宜を図るという合意が交わされているように、アロンソの現行契約にもメガクラブからオファーが届いた場合、退任を容認するという特別条項のようなものが存在する。『AS』 によると、招聘する側のクラブは、レバークーゼンに一種の移籍金的なものとして1000万ユーロ(約161億円)程度を支払う必要があるが、マドリーにとって障壁となる額ではない。焦点となるのはアロンソの意向となるが、同紙は「サンティアゴ・ベルナベウのベンチに座ることを切望している」という親しい知人の話を紹介している。
一連の報道について、クロップの代理人は現職に満足しているとコメントし、火消しに走っているという。情報は錯綜している部分もあるが、一つ確かなのはアンチェロッティ監督が今なおキャスティングボードを握っていること。『AS』は待つしかないアロンソの今の心境を「静かな緊張感」と表現しているが、それはこの問題に関わる他の全ての人にも共通していることだろう。今週末、現地4月26日(日本時間27日)にアンチェロッティ監督にとって1つ目の“追試”となるバルセロナとのコパ・デル・レイ決勝戦が行なわれる。
文●下村正幸
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