日本代表史上最強のタレントは、おそらく２人。松木安太郎さんと内田篤さんだろう。サッカー解説をこなすだけでなく、バラエティ番組やCMにも出演しているマルチぶりがその根拠で、正直、国民受けが良い。

　なぜ、松木さんと内田さんは“国民的人気者”なのか。素朴な質問をぶつけると、同業者（解説者）の鄭大世氏は独自の見解を示した。

「使いやすいですよね。内田篤人は現役時代に喋らない印象がありましたが、メディアの仕事になるとしっかりとこなす。そもそも頭がいいですからね。自分の振る舞いがどう映るかをちゃんと分かっている。

松木さんも（解説に対して）批判は多いけど、本人が自分のスタンスを分かっているじゃないですか。絶対にブレない。おっさん世代に大人気ですから」
  　鄭大世氏は感情に訴える“松木節”について次のような話もしてくれた。

「今、解説がどんどん戦術に寄っています。でも、若い世代の方たちは戦術を分かったつもりになりたいだけ。戦術はサッカーの醍醐味のひとつでしかないので、そうじゃない世代の方はおそらく松木さんみたいに『感じたい』はず。松木さんのようにリアクションで感情を示す、そういう解説があってもいいと、この前、番組のスタッフとも話しました」

　ただ、鄭大世氏は「松木さんの真似をしてはダメ」と言う。

「松木さんはオンリーワン。僕がそれをやってしまったらダメ。松木さんだから許されるわけで、だからこそ成功例」

　いろんなタイプの解説者がいて成り立つ世界。そうした中で“起用”される松木さんは、やはり日本代表史上最強タレントのひとりだ。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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