現地時間5月21日に行なわれたヨーロッパリーグ決勝で、トッテナムがマンチェスター・ユナイテッドとの同国勢対決を1-0で制し、UEFAカップ時代の1983-84シーズン以来となる3回目の優勝を果たすとともに、2007-08シーズンのリーグカップ制覇以降では初めてタイトルを手にしている。
【動画】観客が沸いた三笘のボールコントロール
スペイン・ビルバオでの決戦、42分に左からのクロスに飛び込んだブレナン・ジョンソンが詰めて先制点を奪った「スパーズ」は、多くの時間帯でボールを保持して16本(トッテナムは3本)のシュートを浴びせてきたマンUの猛攻を、守備陣の神懸かり的なプレー等によって最後までしのぎ切り、栄光の瞬間を迎えた。
キャプテンのソン・フンミンがトロフィーを受け取り、クラブ加入10年目、さらにはプロキャリア15年目にしてついに初タイトル獲得を成し遂げた。そして「これまで就任2年目には必ず何かを勝ち取ってきた」と自信を示してきたアンジェ・ポステコグルー監督は、今回もそれを守ってみせた。長くトッテナムの象徴であり、昨季にバイエルンへ活躍の場を移し、自身も今季初めてチームタイトル(ブンデスリーガ優勝)を手にしたハリー・ケインからは、SNSを通して祝福のメッセージが届けられている。
ロンドンのクラブにとっては歴史的な勝利となったが、一方でこれを手放しで喜べないのは、この一戦が「最悪の欧州カップ決勝戦」と呼ばれ、今季、プレミアリーグでは現時点で17位(トッテナム)、16位(マンU)に沈み、合わせて39敗を喫している2チームによって争われた、不名誉という意味でも歴史的なものとなってしまったからだ。
スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「ポステコグルー監督は、決勝トーナメントでより現実的な戦い方を選び、就任1年目で多くの称賛を集めた、攻撃的な『アンジェボール』とは正反対のスタイルで、長時間にわたって自陣深くで守備を固めた結果、ボールポゼッションを相手に譲った。そうして成功を収めたが、問題はこれが彼の続投に迷いを見せているクラブ首脳陣に、『もう少し彼に任せてみよう』と思わせるほどの説得力があったのかどうかが、今後の焦点となる」と指摘している。
このように、称えられるべきはずの勝者の指揮官ですら、その去就が不安定となっている状況で、ましてや敗者は……。昨年11月中旬の就任以降、ここまで6勝しか挙げられていないルベン・アモリム監督は、「もし上層部やファンが私を適任ではないと感じるなら、私は補償の話もせず、翌日にはクラブを去るつもりだ。しかし、自分から辞めることはない。自分の仕事には自信を持っているし、やり方を何ひとつ変えるつもりもない」と、試合後のコメントには悲壮感が漂っていた。
昨季までは隆盛を誇ったもうひとつのクラブ「シティ」も不振を極め、FAカップでは決勝でクリスタル・パレスの前に敗退するなど、ネガティブな話題ばかりに彩られてしまった街マンチェスターの日刊紙『Manchester Evening News』は、「マンUは愚かな決断の末に、彼らに相応しいシーズンを過ごした」と題した記事で、「赤い悪魔」の悲惨な1年を総括している。
「酷い国内でのシーズンだったにもかかわらず、彼らは欧州タイトルを獲得し、来季のチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を手に入れるチャンスがあった。にもかかわらず、それを台無しにしてしまったのだ。来季、オールド・トラフォードは欧州の舞台とはならない。1993年に欧州カップに復帰して以降、2シーズン連続でCL不出場が続くのは初めてだ」
「今季のプレミアリーグにおいては記憶にある限り最悪のチームであるトッテナムに決勝で敗れることは、これ以上ない屈辱である」と酷評する同メディアは、「2年連続でストライカーに合計1億850万ポンド(約208億円)を投じたにもかかわらず、マンUは再びハリー・マグワイアを前線に上げるはめになった。しかし今回は、『大男に放り込め』戦術は通用しなかった」と、戦力補強の失敗も指摘し、クラブの失態を糾弾した。
「1人の監督(エリック・テン・ハフ)を解任する決断を下せず、気まぐれなファンの声に迎合し、さらにオランダ色の強い補強を再び容認した挙句、シーズンの3分の1が過ぎた段階で全くスタイルの異なる監督に交代……その末路が現在である。ポルトガル人監督はデビュー戦(対エバートン)を白星で飾った後に『嵐が来る』と予告したが、実際にその風は今、荒れ狂っている」
トッテナムにはプレミアリーグ(0-3、0-1)、リーグカップ(3-4)、EL(0-1)と1シーズンで4度も敗れたマンUを、「これは事実として否定のしようがないが、過去51年で最悪だ」と断言した同メディアは、「試合終了とともにマンU側のスタンドはすぐに空になった」と伝えた上で、「マンUは弱いだけでなく、観る価値もない」と綴って記事を締めている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】トッテナム対マンU EL決勝ハイライト
【動画】観客が沸いた三笘のボールコントロール
スペイン・ビルバオでの決戦、42分に左からのクロスに飛び込んだブレナン・ジョンソンが詰めて先制点を奪った「スパーズ」は、多くの時間帯でボールを保持して16本(トッテナムは3本)のシュートを浴びせてきたマンUの猛攻を、守備陣の神懸かり的なプレー等によって最後までしのぎ切り、栄光の瞬間を迎えた。
キャプテンのソン・フンミンがトロフィーを受け取り、クラブ加入10年目、さらにはプロキャリア15年目にしてついに初タイトル獲得を成し遂げた。そして「これまで就任2年目には必ず何かを勝ち取ってきた」と自信を示してきたアンジェ・ポステコグルー監督は、今回もそれを守ってみせた。長くトッテナムの象徴であり、昨季にバイエルンへ活躍の場を移し、自身も今季初めてチームタイトル(ブンデスリーガ優勝)を手にしたハリー・ケインからは、SNSを通して祝福のメッセージが届けられている。
ロンドンのクラブにとっては歴史的な勝利となったが、一方でこれを手放しで喜べないのは、この一戦が「最悪の欧州カップ決勝戦」と呼ばれ、今季、プレミアリーグでは現時点で17位(トッテナム)、16位(マンU)に沈み、合わせて39敗を喫している2チームによって争われた、不名誉という意味でも歴史的なものとなってしまったからだ。
スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「ポステコグルー監督は、決勝トーナメントでより現実的な戦い方を選び、就任1年目で多くの称賛を集めた、攻撃的な『アンジェボール』とは正反対のスタイルで、長時間にわたって自陣深くで守備を固めた結果、ボールポゼッションを相手に譲った。そうして成功を収めたが、問題はこれが彼の続投に迷いを見せているクラブ首脳陣に、『もう少し彼に任せてみよう』と思わせるほどの説得力があったのかどうかが、今後の焦点となる」と指摘している。
このように、称えられるべきはずの勝者の指揮官ですら、その去就が不安定となっている状況で、ましてや敗者は……。昨年11月中旬の就任以降、ここまで6勝しか挙げられていないルベン・アモリム監督は、「もし上層部やファンが私を適任ではないと感じるなら、私は補償の話もせず、翌日にはクラブを去るつもりだ。しかし、自分から辞めることはない。自分の仕事には自信を持っているし、やり方を何ひとつ変えるつもりもない」と、試合後のコメントには悲壮感が漂っていた。
昨季までは隆盛を誇ったもうひとつのクラブ「シティ」も不振を極め、FAカップでは決勝でクリスタル・パレスの前に敗退するなど、ネガティブな話題ばかりに彩られてしまった街マンチェスターの日刊紙『Manchester Evening News』は、「マンUは愚かな決断の末に、彼らに相応しいシーズンを過ごした」と題した記事で、「赤い悪魔」の悲惨な1年を総括している。
「酷い国内でのシーズンだったにもかかわらず、彼らは欧州タイトルを獲得し、来季のチャンピオンズ・リーグ(CL)出場権を手に入れるチャンスがあった。にもかかわらず、それを台無しにしてしまったのだ。来季、オールド・トラフォードは欧州の舞台とはならない。1993年に欧州カップに復帰して以降、2シーズン連続でCL不出場が続くのは初めてだ」
「今季のプレミアリーグにおいては記憶にある限り最悪のチームであるトッテナムに決勝で敗れることは、これ以上ない屈辱である」と酷評する同メディアは、「2年連続でストライカーに合計1億850万ポンド(約208億円)を投じたにもかかわらず、マンUは再びハリー・マグワイアを前線に上げるはめになった。しかし今回は、『大男に放り込め』戦術は通用しなかった」と、戦力補強の失敗も指摘し、クラブの失態を糾弾した。
「1人の監督(エリック・テン・ハフ)を解任する決断を下せず、気まぐれなファンの声に迎合し、さらにオランダ色の強い補強を再び容認した挙句、シーズンの3分の1が過ぎた段階で全くスタイルの異なる監督に交代……その末路が現在である。ポルトガル人監督はデビュー戦(対エバートン)を白星で飾った後に『嵐が来る』と予告したが、実際にその風は今、荒れ狂っている」
トッテナムにはプレミアリーグ(0-3、0-1)、リーグカップ(3-4)、EL(0-1)と1シーズンで4度も敗れたマンUを、「これは事実として否定のしようがないが、過去51年で最悪だ」と断言した同メディアは、「試合終了とともにマンU側のスタンドはすぐに空になった」と伝えた上で、「マンUは弱いだけでなく、観る価値もない」と綴って記事を締めている。
構成●THE DIGEST編集部
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