ナポリの優勝で幕を閉じた2024ー25シーズンのセリエAは、すでに新シーズンに向けた話題で溢れかえっている。とりわけ熱を帯びているのが監督人事だ。伊放送局『Sky Italia』が現地10月30日の記事でまとめた。

　２シーズンぶり４度目の優勝をナポリにもたらしたアントニオ・コンテ監督は、数日前まで古巣ユベントスへの帰還が濃厚と言われていた。しかし、急転直下でナポリ残留が決定した。アウレリオ・デ・ラウレンティス会長が自身のXで「全力で前進。以前よりも強力になって」とポストし、指揮官との２ショット写真を掲載。さらにナポリの公式SNSが「Con Te AG4IN!」（君と一緒にもう一度。「君と一緒」のイタリア語"Con Te"とコンテ監督の苗字を掛け合わせた。英語"AGAIN"のAの「４」は４度目の優勝を指す）と投稿した。

　コンテ監督の招聘に失敗した形のユベントスは、現指揮官のイーゴル・トゥードルが６月14日に開幕するクラブワールドカップで指揮を執る。シーズン途中に就任して４位に入り、チャンピオンズリーグ（CL）の出場権を手にしたトゥードルに新シーズンも任せるのか、別の監督に変更するのかはクラブW杯後に決めるという。

　ナポリとともに、監督人事を公式発表したのがミランだ。セルジオ・コンセイソン監督の退任に続いて、マッシミリアーノ・アッレーグリ監督の就任を発表した。『Sky Italia』によると、年俸550万ユーロ（約９億円）の２年契約＋１年のオプション。アッレーグリは2010～14シーズンにミランを率い、10ー11シーズンにスクデットを獲得した。

【動画＆画像】コンテ監督の続投を発表したナポリと、デ・ラウレンティス会長の投稿！
  　また、９年の在任期間で一地方クラブのアタランタをCLの常連に育て上げたジャン・ピエロ・ガスペリーニが、クラウディオ・ラニエリ監督が退任するローマの新監督の有力候補に挙がっている。５月29日、ガスペリーニはローマのダン・フリードキン会長、フローラン・ギソルフィSDらと会談。その場で合意とはいかなかったが、ローマの新監督就任に前向きな姿勢を示した。

　ガスペリーニの退任が濃厚のアタランタには、アル・ナスルのステーファノ・ピオーリ、シーズン途中にユベントスの監督を解任されたチアゴ・モッタが後任候補に挙がっている。一時はアタランタの後任候補にも挙がったマウリツィオ・サッリは、ラツィオへの復帰が噂されているが、合意には至っていないようだ。

　フィオレンティーナも監督が変わる。就任１年目で６位に入り、カンファレンスリーグの出場権を獲得したラファエレ・パッラディーノが５月７日に契約を更新。しかし、チーム運営や補強方針などを巡ってダニエレ・プラデSDとの関係が悪化したため、５月30日に契約解除してクラブを去った。後任にはピオーリ、サッリ、ラツィオの監督を退任するマルコ・バローニ、元ローマ監督のダニエレ・デ・ロッシ、前アヤックス監督のフランチェスコ・ファリオーリらの名前が挙がるなど、情報が錯綜している。

　さまざまな噂が飛び交うなか、コッパ・イタリア決勝でミランを下して優勝したボローニャは、ヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督の続投を決定。昇格１年目で10位と大きく飛躍したコモのセスク・ファブレガス監督、シーズン途中就任でセリエA残留を勝ち取ったパルマのクリスティアン・キブ監督も引き続き指揮を執るようだ。

　サウジアラビアのアル・ヒラルから年俸5000万ユーロ（約81億円）のオファーを受けているとされるインテルのシモーネ・インザーギ監督は、現地５月31日に行なわれるCL決勝の後に去就を決断するという。ただ、インテルにはインザーギ監督を手放す意思は一切ない。

構成●THE DIGEST編集部

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