現地時間5月31日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)決勝で、パリ・サンジェルマンがインテルを5-0で下し、悲願の欧州初制覇を果たした。
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過去に4度の決勝開催(チャンピオンズカップ時代を含む)でノッティンガム・フォレスト、マルセイユ、ドルトムント、チェルシーの初優勝の舞台となってきたドイツ・ミュンヘンでの一戦、パリSGの有利が予想されてはいたものの、驚くほどにイタリアの雄を圧倒し、開始12分でアシュラフ・ハキミが先制点を奪うと、20分、63分にデジレ・ドゥエ、73分にフビチャ・クバラツヘリア、そして86分にはセンニ・マユルと、ゴールショーを展開して同コンペティション決勝史上最多得点差での勝利で、24チーム目のヨーロッパ王者となった。
2011年、当時のフランス大統領だったニコラ・サルコジの勧めでカタール政府系ファンド「カタール・スポーツ・インベストメント(QSI)」が約7000万ユーロ(約114億円)で買収してから、パリSGは多額の資金を得てデイビッド・ベッカムやズラタン・イブラヒモビッチといったスター選手を次々に獲得。さらに、2017年にはネイマールを2億2200万ユーロ(約362億円)でバルセロナから引き抜き、翌年にはキリアン・エムバペを1億8000万ユーロ(約293億円)で獲得し、2021年にはリオネル・メッシまで獲得して世界を驚かせ続けてきた。
これにより、フランス国内では完全な一強体制を構築して、14年間で11回のリーグアン優勝を達成したが、一方でCLでは2019-2020シーズンにようやく決勝に進出するも、その時はバイエルンの軍門に降っていた。QSIによる買収後、選手補強に総額23億ユーロ(3750億円)を費やしてきたクラブは、しかし昨夏のエムバペ退団により「スーパースター路線」から脱却し、若くて安価なタレント中心のチームに再編成。今回の勝利は、戦略の正しさとルイス・エンリケ監督による舵取りの見事さの、何よりの証明となった。
スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「メッシ、ネイマール、エムバペがいなくても、ドゥエがいれば十分だ──パリSGは答を知っている。なぜなら、高額なスーパースターではなく、若きスター選手たちで構成されたチームで、ついに念願のCL制覇を成し遂げたからだ」と綴り、この重要な一戦で2ゴール・1アシストという素晴らしい働きを見せた19歳のフランス代表FWを称賛している。
「止められず、理解不能、まさに異次元。CL決勝または欧州カップ決勝で、これほど若くして1ゴール・1アシスト以上を記録した選手は過去にいない。先制点のアシストは視野の広さと献身性を示し、自身の1点目は相手DFに当たったものの、自信を持ってシュートを放った。そして2点目のランとフィニッシュはまさに絶品。彼のボールコントロールは、憧れのネイマールにインスパイアされたものだ。今や彼のライバルは、バルセロナの17歳ラミン・ヤマルだ。2人の争いは今後数年、世界中の注目を集めるだろう」
“若さ”という点では、パリSGの平均年齢は「23.6歳」で、インテルの「29.4歳」と比べても非常に低かったが、同メディアは「もう一つの統計として、パリSGは1試合あたりの全選手の走行距離の平均が112kmだったのに対してインテルはわずか92kmと、CL出場チーム中最多と最少の差だった。このことから、試合前は『経験豊富なインテルか、若さと運動量のパリSGか』という構図だった。しかし、この日はむしろ、パリSGの方が熟練したチームに見えた」と、勝者の試合運びの的確さを称賛した。
リーグフェーズでは低調なスタートを切り、6節を終えた段階で2勝1分け3敗と早期敗退も噂されながらも、7節マンチェスター・シティ戦(4-2)で上昇に転じ、ノックアウトフェーズでは優勝候補筆頭のリバプールを下すと、準々決勝ではアストン・ビラとの接戦を制し、準決勝ではアーセナルにリーグフェーズの雪辱を果たし、そして決勝では主導権を握り続けての大勝と、試合ごとに成長を遂げたパリSGにおいて、最大の功労者はルイス・エンリケ監督をおいて他にいないだろう。
スペインのスポーツ紙『MARCA』は、「メッシ、ネイマール、セルヒオ・ラモス、マルコ・ヴェッラッティ、エムバペ……スターたちが次々と去っていった中で、“ルーチョ”は自分の色を最も濃く反映させたチームを創り上げた。それは、10年前にベルリンで三冠(ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、CL)を達成したバルセロナ、あの『MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)』のバルサを超えたと言ってもいいチームだった」と、ナセル・アル・ケライフィ会長からも「世界最高」と絶賛された指揮官の偉業に言及している。
「優勝経験のないクラブということもあり、プレッシャーをかけすぎないように努めてきた。インテルは素晴らしいチームだったが、我々のプレスは素晴らしかった。今季は選手全員が成長し、チーム力も向上した」と振り返ったL・エンリケ監督に対し、同メディアは「彼はやり遂げた。ルイス1世、万歳!」と賛辞と祝辞を贈った。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】パリSGがインテルを圧倒! CL決勝ハイライト
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過去に4度の決勝開催(チャンピオンズカップ時代を含む)でノッティンガム・フォレスト、マルセイユ、ドルトムント、チェルシーの初優勝の舞台となってきたドイツ・ミュンヘンでの一戦、パリSGの有利が予想されてはいたものの、驚くほどにイタリアの雄を圧倒し、開始12分でアシュラフ・ハキミが先制点を奪うと、20分、63分にデジレ・ドゥエ、73分にフビチャ・クバラツヘリア、そして86分にはセンニ・マユルと、ゴールショーを展開して同コンペティション決勝史上最多得点差での勝利で、24チーム目のヨーロッパ王者となった。
2011年、当時のフランス大統領だったニコラ・サルコジの勧めでカタール政府系ファンド「カタール・スポーツ・インベストメント(QSI)」が約7000万ユーロ(約114億円)で買収してから、パリSGは多額の資金を得てデイビッド・ベッカムやズラタン・イブラヒモビッチといったスター選手を次々に獲得。さらに、2017年にはネイマールを2億2200万ユーロ(約362億円)でバルセロナから引き抜き、翌年にはキリアン・エムバペを1億8000万ユーロ(約293億円)で獲得し、2021年にはリオネル・メッシまで獲得して世界を驚かせ続けてきた。
これにより、フランス国内では完全な一強体制を構築して、14年間で11回のリーグアン優勝を達成したが、一方でCLでは2019-2020シーズンにようやく決勝に進出するも、その時はバイエルンの軍門に降っていた。QSIによる買収後、選手補強に総額23億ユーロ(3750億円)を費やしてきたクラブは、しかし昨夏のエムバペ退団により「スーパースター路線」から脱却し、若くて安価なタレント中心のチームに再編成。今回の勝利は、戦略の正しさとルイス・エンリケ監督による舵取りの見事さの、何よりの証明となった。
スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「メッシ、ネイマール、エムバペがいなくても、ドゥエがいれば十分だ──パリSGは答を知っている。なぜなら、高額なスーパースターではなく、若きスター選手たちで構成されたチームで、ついに念願のCL制覇を成し遂げたからだ」と綴り、この重要な一戦で2ゴール・1アシストという素晴らしい働きを見せた19歳のフランス代表FWを称賛している。
「止められず、理解不能、まさに異次元。CL決勝または欧州カップ決勝で、これほど若くして1ゴール・1アシスト以上を記録した選手は過去にいない。先制点のアシストは視野の広さと献身性を示し、自身の1点目は相手DFに当たったものの、自信を持ってシュートを放った。そして2点目のランとフィニッシュはまさに絶品。彼のボールコントロールは、憧れのネイマールにインスパイアされたものだ。今や彼のライバルは、バルセロナの17歳ラミン・ヤマルだ。2人の争いは今後数年、世界中の注目を集めるだろう」
“若さ”という点では、パリSGの平均年齢は「23.6歳」で、インテルの「29.4歳」と比べても非常に低かったが、同メディアは「もう一つの統計として、パリSGは1試合あたりの全選手の走行距離の平均が112kmだったのに対してインテルはわずか92kmと、CL出場チーム中最多と最少の差だった。このことから、試合前は『経験豊富なインテルか、若さと運動量のパリSGか』という構図だった。しかし、この日はむしろ、パリSGの方が熟練したチームに見えた」と、勝者の試合運びの的確さを称賛した。
リーグフェーズでは低調なスタートを切り、6節を終えた段階で2勝1分け3敗と早期敗退も噂されながらも、7節マンチェスター・シティ戦(4-2)で上昇に転じ、ノックアウトフェーズでは優勝候補筆頭のリバプールを下すと、準々決勝ではアストン・ビラとの接戦を制し、準決勝ではアーセナルにリーグフェーズの雪辱を果たし、そして決勝では主導権を握り続けての大勝と、試合ごとに成長を遂げたパリSGにおいて、最大の功労者はルイス・エンリケ監督をおいて他にいないだろう。
スペインのスポーツ紙『MARCA』は、「メッシ、ネイマール、セルヒオ・ラモス、マルコ・ヴェッラッティ、エムバペ……スターたちが次々と去っていった中で、“ルーチョ”は自分の色を最も濃く反映させたチームを創り上げた。それは、10年前にベルリンで三冠(ラ・リーガ、コパ・デル・レイ、CL)を達成したバルセロナ、あの『MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)』のバルサを超えたと言ってもいいチームだった」と、ナセル・アル・ケライフィ会長からも「世界最高」と絶賛された指揮官の偉業に言及している。
「優勝経験のないクラブということもあり、プレッシャーをかけすぎないように努めてきた。インテルは素晴らしいチームだったが、我々のプレスは素晴らしかった。今季は選手全員が成長し、チーム力も向上した」と振り返ったL・エンリケ監督に対し、同メディアは「彼はやり遂げた。ルイス1世、万歳!」と賛辞と祝辞を贈った。
構成●THE DIGEST編集部
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