ラミン・ヤマルの存在は、もはやサッカー界の枠を超えている。バカンス中でさえ、その一挙手一投足が話題となった。全身ブランドで固めたファッション、高級アクセサリーや腕時計、さらにはネイマールと共に休暇を過ごす姿に対して、「年齢不相応だ」「好ましくない」といった批判が相次いだ。極めつけは、スペインで成人となる18歳の誕生日に盛大なパーティーを開き、その様子をSNSで公開したことだった。
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スペイン紙『SPORT』の編集長ジョアン・ベイルス氏は、こうした批判に対して次のように擁護する。
「ヤマルは自立した若者だ。誰と時間を過ごし、どんなライフスタイルを選ぶかは彼の自由だ。それがピッチ上のパフォーマンスに影響しない限り、口を挟むべきではない。彼はピッチ上ではメッシのように、ピッチ外ではネイマールのように生きることを選んだのだ」
ファンの多くは、ヤマルにもメッシのようなストイックな生活を望んでいる。しかし、それはテニス界のカルロス・アルカラス(22歳)を取り巻く状況とも似ている。アルカラスは「テニスだけの人生にはなりたくない」と公言し、気分転換を大事にする姿勢が賛否両論を呼んだ。叔父であり元コーチのトニ・ナダル氏から「そんなに負担なら辞めればいい」と痛烈に批判されたのも記憶に新しい。
スペインではいま、既存の価値観に縛られず「楽しみながら競技に臨む」新しいアスリート像が台頭している。その象徴がヤマルとアルカラスだ。両者のプレーには“遊び心”が溢れており、ヤマルはもちろん、アルカラスもラリーの最中に常に変化を仕掛ける“ファンタジスタ”だ。マシーンのように正確なショットを打ち続けるヤニック・シナー(イタリア)とは対照的な存在として語られるのも頷ける。
重要なのは、二人とも結果を出し続けている点だ。近年、スポーツ界ではメンタルヘルスの重要性が叫ばれるようになったが、適度な気分転換もまた「仕事の一部」だと言える。ヤマルとアルカラスは、それを実践する先駆者なのだ。
そんなヤマルは、来季からバルセロナの象徴である“10番”を継承することがほぼ決定している。前任者アンス・ファティがその重圧に苦しんだだけに、一部では不安視する声もある。しかし、カタルーニャ人ジャーナリストのシャビ・トーレス氏はこう断言する。
「ヤマルは幼い頃から簡単な環境で育ってきたわけではない。モロッコ人の父と赤道ギニア人の母のもとで培った経験が、彼に強靭な精神を与えた。まだ18歳だが、チーム内で彼より優れていると豪語する選手は一人もいない。10番の重圧に怯えることはないだろう」
ヤマル自身も、プレシーズンに向けて力強い言葉を残している。
「18歳になった僕の目標は、まだ手にしていないタイトルを獲ることだ。それはチャンピオンズリーグとワールドカップ。キャリアの先を考えるより、今この瞬間の勝利のために全てを捧げる」
充電期間を経て、ヤマルはモチベーション全開のようだ。新シーズン、バルセロナの“新しい10番”がどんな物語を紡ぐのか、期待は高まるばかりだ。
文●下村正幸
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「ヤマルは幼い頃から簡単な環境で育ってきたわけではない。モロッコ人の父と赤道ギニア人の母のもとで培った経験が、彼に強靭な精神を与えた。まだ18歳だが、チーム内で彼より優れていると豪語する選手は一人もいない。10番の重圧に怯えることはないだろう」
ヤマル自身も、プレシーズンに向けて力強い言葉を残している。
「18歳になった僕の目標は、まだ手にしていないタイトルを獲ることだ。それはチャンピオンズリーグとワールドカップ。キャリアの先を考えるより、今この瞬間の勝利のために全てを捧げる」
充電期間を経て、ヤマルはモチベーション全開のようだ。新シーズン、バルセロナの“新しい10番”がどんな物語を紡ぐのか、期待は高まるばかりだ。
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