同じ欧州プレーオフ組でも、トルコ(25)が勝ち上がり濃厚なパスC(トルコ、ルーマニア、スロバキア、コソボ)は、開催国アメリカ(14)、オーストラリア(26)、パラグアイ(39)と同居するグループD、デンマーク(21)が勝ち上がる可能性が高いパスD(デンマーク、北マケドニア、チェコ、アイルランド)は、開催国メキシコ(15)、韓国(22)、南アフリカ(61)が入ったグループAにそれぞれ割り振られている。
この2つは、イタリアが入ったパスAと同様、ポット1で強豪国ではなく開催国を引いたという点で、比較的幸運だったと言うことができる。最も不運だったのは、ほかでもない日本と同組になったパスBだろう。ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアで構成されたこのパスは、欧州予選プレーオフ最大の激戦区。そこを勝ち上がっても、今度は本大会でFIFAランキング一桁のオランダ(7)、ポット2で最も嫌がられていた国のひとつである日本、そしてポット3では中堅レベルのチュニジア(40)と戦わなければならない。
ちなみに日本が入ったこのグループFについては、明らかに格が落ちるFIFAランキング50位以下の国がひとつも入っていないだけでなく、20位以内が2つ入っているという点で、12グループ中最も力の均衡した難しいグループだという評価も出ている。
さらに、もしグループを1位あるいは2位で勝ち上がっても、続くラウンド・オブ32の相手がグループCの1位か2位のどちらか(ブラジル、モロッコが濃厚)という、なかなか厳しい巡り合わせになっている。12グループあるうち、1~2位のチームがラウンド・オブ32で他グループの1~2位とたすき掛けで対戦するのはC、F、H、Jの4グループのみ。それ以外の8グループは、1位が他グループの3位チーム、2位は他グループの2位チームとの対戦となっている。
イタリアが入ったパスA勝者を含むグループBもそちら側。1位で勝ち上がった場合はグループE、F、G、I、Jいずれかの3位と、2位抜けの場合はグループAの2位(メキシコ、デンマークのいずれかになる可能性が高い)と、ラウンド・オブ32で対戦することになる。これも巡り合わせとしては、日本と比較するとそれほど悪いとは言えない。
とはいえもちろん、これらすべての議論は、イタリアが欧州予選プレーオフを勝ち上がるまでは、文字通り「取らぬ狸の皮算用」に過ぎない。そのプレーオフの組み合わせも、イタリアにとってはかなり幸運なものだったわけだが、過去2大会続けてプレーオフで格下のチームに敗退を喫している「実績」は、たとえどれだけ「くじ運」に恵まれても、決して楽観を許さないものだ。
このW杯抽選会を経たイタリア国内の論調が「これだけのチャンスを逃すわけにはいかない、そのためにもまず今はプレーオフに集中すべき」という一点に収斂しているのも、当然といえば当然だろう。
文●片野道郎
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さらに、もしグループを1位あるいは2位で勝ち上がっても、続くラウンド・オブ32の相手がグループCの1位か2位のどちらか(ブラジル、モロッコが濃厚)という、なかなか厳しい巡り合わせになっている。12グループあるうち、1~2位のチームがラウンド・オブ32で他グループの1~2位とたすき掛けで対戦するのはC、F、H、Jの4グループのみ。それ以外の8グループは、1位が他グループの3位チーム、2位は他グループの2位チームとの対戦となっている。
イタリアが入ったパスA勝者を含むグループBもそちら側。1位で勝ち上がった場合はグループE、F、G、I、Jいずれかの3位と、2位抜けの場合はグループAの2位(メキシコ、デンマークのいずれかになる可能性が高い)と、ラウンド・オブ32で対戦することになる。これも巡り合わせとしては、日本と比較するとそれほど悪いとは言えない。
とはいえもちろん、これらすべての議論は、イタリアが欧州予選プレーオフを勝ち上がるまでは、文字通り「取らぬ狸の皮算用」に過ぎない。そのプレーオフの組み合わせも、イタリアにとってはかなり幸運なものだったわけだが、過去2大会続けてプレーオフで格下のチームに敗退を喫している「実績」は、たとえどれだけ「くじ運」に恵まれても、決して楽観を許さないものだ。
このW杯抽選会を経たイタリア国内の論調が「これだけのチャンスを逃すわけにはいかない、そのためにもまず今はプレーオフに集中すべき」という一点に収斂しているのも、当然といえば当然だろう。
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