ここまで5連敗で最下位に沈んでいるヴェネツィアも、サッカーそのものはきわめて攻撃的かつ勇敢だ。ボール支配率(57.1%)はインテル、コモ、ミラン、ローマに続いてリーグ5位。アタッキングサードのみの支配率を示すフィールドティルト(56%)も同じくリーグ5位で、実際に相手を押し込んで戦っている割合も高い。
ただ、フィニッシュにつながる局面のクオリティーがやや低く、決定機の量と質を示すゴール期待値(5試合累計7.42xG)はリーグ11位で、しかも実際の得点はそれを下回る4に留まっている。最大の問題はリーグ最下位の被ゴール期待値(同11.83xGA)が端的に示す非保持局面の脆さ。
攻撃最終局面の質向上とともに、守備の安定を含めた攻守のバランス改善が課題であることは明白だ。しかしそれでも、結果以上にパフォーマンスに焦点を当て、勇気を持って攻撃的な姿勢を打ち出し続けているジョバンニ・ストロッパ監督は評価と賞賛に値する。あとはクラブがどこまで我慢できるかだろう。
第3の昇格クラブであるモンツァも、イバン・ユリッチ新監督の下でアグレッシブに前に出るスタイルを貫き、得点、失点ともに多いスペクタクルなサッカーを展開中だ。ボール支配率は46.3%に留まっているにもかかわらず、フィールドティルトは52.1%、ゴール期待値に至ってはリーグ5位の8.63xG(5試合累積)と、フロジノーネ(同7.53xG)を上回る決定機を作り出している。
とりわけWBリカルド・マンガス(ルックスも味がある)、シャドーのジェイ・ロビンソンがダイナミックな攻め上がりでフィニッシュに絡んでいる左サイドの攻撃は見物。ここまで4得点を挙げている新戦力のポルトガルU-21代表CFグスタボ・ヴァレラも、前出のライモンドと並ぶ序盤戦の注目株だ。
リーグ全体として攻撃のボリュームが膨らみ、得点やシュート数が増えているのは、彼ら昇格組に象徴されるように、上位チームだけでなく下位チームの間でも、失点しないことよりも得点することに優先順位を置いて戦術を構築する傾向が強まり、より勇敢で攻撃的な振舞いを見せるようになったことが大きい。
もちろん上位~中位でも、1試合平均20本を超えるシュートを記録しているインテル、ローマ、コモはもちろん、アルベルト・アクイラーニ監督のサッスオーロ、イニャツィオ・アバーテ監督のトリノ、ファビオ・ピサカーネ監督のカリアリなど、1980年代生まれの若い監督が野心的なプロジェクトを打ち出している。
特にサッスオーロは、ファビオ・グロッソ監督の下で11位と健闘した昨シーズンと比べて、ボール支配率は46.2%→48.2%と大きく変わっていないが、フィールドティルトが42.6%から53.1%に大きく高まり、ゴール期待値も1.16xGから1.53xGへと32%も上昇している。ボールを持っている時間は変わらなくとも、敵陣に押し込んでいる時間、そして作り出している決定機の質と量が向上しているのは、アクイラーニ監督の打ち出している能動的なスタイルが大きい。
長年にわたり結果至上主義に根ざした守備的なスタイルが幅を利かせてきたセリエAも、現場を率いる監督たちの世代交代に伴って、ようやくピッチ上の空気が変わり始めたという印象だ。このトレンドが、目先の結果に振り回されることなくシーズンを通して続いていくことを期待したい。
文●片野道郎
【現地発コラム】イタリア代表、第2次マンチーニ体制が船出へ 常連から10代のニューフェイスまで、招集候補メンバー総チェック
ただ、フィニッシュにつながる局面のクオリティーがやや低く、決定機の量と質を示すゴール期待値(5試合累計7.42xG)はリーグ11位で、しかも実際の得点はそれを下回る4に留まっている。最大の問題はリーグ最下位の被ゴール期待値(同11.83xGA)が端的に示す非保持局面の脆さ。
攻撃最終局面の質向上とともに、守備の安定を含めた攻守のバランス改善が課題であることは明白だ。しかしそれでも、結果以上にパフォーマンスに焦点を当て、勇気を持って攻撃的な姿勢を打ち出し続けているジョバンニ・ストロッパ監督は評価と賞賛に値する。あとはクラブがどこまで我慢できるかだろう。
第3の昇格クラブであるモンツァも、イバン・ユリッチ新監督の下でアグレッシブに前に出るスタイルを貫き、得点、失点ともに多いスペクタクルなサッカーを展開中だ。ボール支配率は46.3%に留まっているにもかかわらず、フィールドティルトは52.1%、ゴール期待値に至ってはリーグ5位の8.63xG(5試合累積)と、フロジノーネ(同7.53xG)を上回る決定機を作り出している。
とりわけWBリカルド・マンガス(ルックスも味がある)、シャドーのジェイ・ロビンソンがダイナミックな攻め上がりでフィニッシュに絡んでいる左サイドの攻撃は見物。ここまで4得点を挙げている新戦力のポルトガルU-21代表CFグスタボ・ヴァレラも、前出のライモンドと並ぶ序盤戦の注目株だ。
リーグ全体として攻撃のボリュームが膨らみ、得点やシュート数が増えているのは、彼ら昇格組に象徴されるように、上位チームだけでなく下位チームの間でも、失点しないことよりも得点することに優先順位を置いて戦術を構築する傾向が強まり、より勇敢で攻撃的な振舞いを見せるようになったことが大きい。
もちろん上位~中位でも、1試合平均20本を超えるシュートを記録しているインテル、ローマ、コモはもちろん、アルベルト・アクイラーニ監督のサッスオーロ、イニャツィオ・アバーテ監督のトリノ、ファビオ・ピサカーネ監督のカリアリなど、1980年代生まれの若い監督が野心的なプロジェクトを打ち出している。
特にサッスオーロは、ファビオ・グロッソ監督の下で11位と健闘した昨シーズンと比べて、ボール支配率は46.2%→48.2%と大きく変わっていないが、フィールドティルトが42.6%から53.1%に大きく高まり、ゴール期待値も1.16xGから1.53xGへと32%も上昇している。ボールを持っている時間は変わらなくとも、敵陣に押し込んでいる時間、そして作り出している決定機の質と量が向上しているのは、アクイラーニ監督の打ち出している能動的なスタイルが大きい。
長年にわたり結果至上主義に根ざした守備的なスタイルが幅を利かせてきたセリエAも、現場を率いる監督たちの世代交代に伴って、ようやくピッチ上の空気が変わり始めたという印象だ。このトレンドが、目先の結果に振り回されることなくシーズンを通して続いていくことを期待したい。
文●片野道郎
【現地発コラム】イタリア代表、第2次マンチーニ体制が船出へ 常連から10代のニューフェイスまで、招集候補メンバー総チェック




