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海外サッカー

スペイン代表の“名勝負“5選――W杯初優勝を決めたイニエスタの一撃!EURO2012の決勝は"ティキタカ"の集大成

下村正幸

2020.07.17

EURO2012の決勝では、F・トーレス(9番)、J・アルバ(18番)らが怒涛の4ゴール。

EURO2012の決勝では、F・トーレス(9番)、J・アルバ(18番)らが怒涛の4ゴール。"ティキタカ"の集大成とも言えるパフォーマンスで、イタリアを粉砕した。(C)Getty Images

2008年 EURO準決勝
vsロシア 3-0
得点者/スペイン=シャビ、グイサ、D・シルバ

 ベスト8の呪縛から解き放たれたスペインに立ちはだかった、新たな刺客はロシア。アンドレイ・アルシャービンの活躍で優勝候補の一角だったオランダを下し、勢いに乗っていた。しかもスペインは、前半にエースのダビド・ビジャが負傷で退場。しかし、このアクシデントが逆にスペインの闘志に火をつけた。

 後半に入ると、面白いようにパスが回り始め、50分にシャビのゴールで先制。その後もシャビ、ビジャの代わりに出場したセスク、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバが形成する”クアトロ・フゴーネス”を中心に攻撃陣が躍動。後方に構えるマルコス・セナの攻守に気の利いたプレーも光り、ダニ・グイサとD・シルバが加点した。

 この後、決勝でもドイツを下し、スペインの黄金時代が幕を開けるが、このロシア戦、とりわけ後半に見せた息を呑む流れるようなパスサッカーは、今なお鮮烈な印象を残している。

2010年7月11日 南アフリカW杯決勝
vsオランダ 〇1延長0
得点者/スペイン=イニエスタ

 相手のオランダは、準決勝で対戦したドイツとは対照的に守備を固め、ファウルも辞さずにスペインに食らいつく戦いをしてきた。だが、この大会で苦戦の連続だったスペインは、その過程で培った粘り強さを発揮。攻撃の糸口を探そうとパスを捌き続けた司令塔のシャビを筆頭とした攻撃陣、相手エースのアリエン・ロッベンとの2度にわたる1対1をストップした守護神カシージャスら守備陣が一体となって難敵に立ち向かった。

 90分間で勝負がつかず、延長戦にまでもつれ込んだ激戦は、116分のイニエスタのゴールで決着を見た。あの痺れる場面でワンバウンドさせたボールの上がり際を足の甲にしっかりミートし、相手GKの脇をぶち抜いたその技術の高さとメンタルの強靭さに常勝軍団の底力を見る思いがした。
 
2012年7月1日 EURO決勝
vsイタリア 4-0
得点者/スペイン=D・シルバ、J・アルバ、F・トーレス、マタ

 グループリーグ初戦で1-1の痛み分けに終わったイタリア相手に会心の勝利。文字通り王様のように中盤に君臨するシャビと、その最高の相棒のイニエスタが試合をコントロールしながら、D・シルバとセスクが前線でパスを引き出し、セルヒオ・ブスケッツとシャビ・アロンソが背後で攻守のバランスを取った。

 イニエスタのスルーパスからセスクが折り返し、D・シルバが頭で合わせた1点目、シャビのスルーパスからジョルディ・アルバが快足を飛ばして裏に抜けてGKブッフォンとの1対1を制した2点目、シャビのスルーパスからフェルナンド・トーレスが右足で流し込んだ3点目、ファン・マヌエル・マタがトドメを刺した4点目。スペインらしい多彩な崩しから大量得点を奪い、"ティキタカ"がその集大成を見せた試合だった。

文●下村正幸

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