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海外サッカー

ドイツ代表の“名勝負“5選――栄光史の始まりになった「ベルンの奇跡」。皇帝の名言「強い方が勝つんじゃない…」が生まれた74年決勝も

遠藤孝輔

2020.07.17

ブラジルW杯準決勝で2点目を決めたクローゼは、このゴールでワールドカップ通算得点を16とし、歴代単独1位に躍り出た。(C)Getty Images

ブラジルW杯準決勝で2点目を決めたクローゼは、このゴールでワールドカップ通算得点を16とし、歴代単独1位に躍り出た。(C)Getty Images

1974年7月7日 西ドイツW杯決勝
vsオランダ 〇2-1
得点者/西ドイツ=ブライトナー、ミュラー
    オランダ=ニースケンス

 トータルフットボールで世界を魅了するオランダに対し、“皇帝”ベッケンバウアーに代表される個人技と戦術理解力が傑出したワールドクラスを随所に擁する質実剛健の西ドイツ。隣国同士が世界一を懸けて争ったこのワールドカップ決勝は、オランダのヨハン・クライフがPKを得た開始直後のドリブル突破から目が離せない展開が続いた。

 その14番が靴紐を結んでいる時も離れなかったベルティ・フォクツの密着マーク、“爆撃機”ゲルト・ミュラーの反転シュートによる逆転弾など、すべてを語ろうとすれば、編集部の「300字ほどで」というオーダーに応えるのは不可能(すでに300字が目前だ…)。また、試合後には皇帝の口から「強い方が勝つんじゃない。勝った方が強いんだ」というかの有名なフレーズも飛び出している。このカードを歴代1位に選ぶオールドファンも少なくないだろう。

1982年7月8日 スペインW杯準決勝
vsフランス 〇3延長3(5PK4)
得点者/西ドイツ=リトバルスキー、ルムメニゲ、フィッシャー
    フランス=プラティニ、トレゾール、ジレス

 同じくPK戦にもつれ込んだ90年ワールドカップの準決勝・イングランド戦(ゲーリー・リネカーの名言「22人の男が90分ボールを追いかけ、そして最後にいつもドイツが勝つ」が生まれた試合)も捨てがたいが、“将軍”ミシェル・プラティニを擁するフランスを破ったこの激闘も忘れてはならない。

 たしかに、交錯相手を病院送りにした守護神ハラルト・シューマッハーのラフプレーはいただけなかった。だがそれ以上に西ドイツの真骨頂、絶対に諦めない不屈のスピリットが人々の胸を打った試合だろう。延長前半8分までに2点のリードを許しながら、千両役者カール=ハインツ・ルムメニゲの泥臭い一撃とクラウス・フィッシャーのバイシクルで同点に。そしてPK戦の末に、決勝への切符を勝ち取った。
 
2014年7月8日 ブラジルW杯準決勝
vsブラジル 〇7-1
得点者/ドイツ=クロース②、シュールレ②、ミュラー、クローゼ、ケディラ
    ブラジル=オスカール

 セレソン支持者にとっては名勝負でもなんでもないだろう。記憶から消し去りたいはずだ。だが、ドイツでは未来永劫語り継がれるに違いない大勝だった。俗に言う「ミネイロンの惨劇」(ドイツではミネイロンの衝撃)である。

 怪我のネイマールと出場停止のチアゴ・シウバという飛車角落ちのワールドカップ開催国、ブラジルを完膚なきまでに叩きのめした。11分に生まれたトーマス・ミュラーの先制点を皮切りに、わずか18分間で5点を奪ったドイツは、その後も攻勢の手を緩めずに2点を追加。点差など記録ずくめの白星で王国に引導を渡し、通算8回目の決勝進出を果たした。

 この歴史的な勝利を収めたチームはアルゼンチンとのファイナルを制し、24年ぶりの世界制覇を成し遂げている。

文●遠藤孝輔

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