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日本代表

常識を覆す脅威の19歳、久保建英は中田や本田を超えられるのか?

佐藤俊

2020.07.26

レンタル元のレアル・マドリーとの対戦でも持てる力を発揮し、アピールに成功している。(C)Getty Images

レンタル元のレアル・マドリーとの対戦でも持てる力を発揮し、アピールに成功している。(C)Getty Images

 久保は、これからも挑戦が続くが、そもそもバルセロナの下部組織出身で出発点も目指す先も二人と異なり、明確だ。久保はレアル・マドリーというベースがあり、そこに向かっていくサッカー人生になる。

 これまでの日本人選手とは、スタート時点での立ち位置を含め、あらゆる面で異なり、「未知の世界」からやってきたとも言える。それゆえ、久保はこれまでの日本や日本サッカー界の常識を越え、新しい歴史を作ることができる選手になるポテンシャルを持っている。
 
 それは能力から見ても明らかだ。
 久保はMFだが、ドリブル、パス、シュートと三拍子が高いレベルで揃っている。俊敏な動きを見せ、フィジカルも強くなり、メンタルも相手に動じる隙を見せない。マジョルカではJリーグでプレーしていた頃よりもシュートへの意欲が目立ち、海外で評価されるものが何か身体にしっかり染みついている。

 中田、本田はフィジカル的な強さがあり、気持ちも強いがスピードは今の久保ほどではなかった。また、プレーで言えば三拍子が揃っていたわけではない。総合的な久保のポテンシャルは、彼らが19歳だった頃よりも確実に上のレベルにある。

 言葉もネイティブのように話をし、監督、選手とも問題なくコミュニケーションが取れている。明るい性格で雑談を絡めてチームに溶け込んでいける。こうしたコミュニケーション能力やチームメイトとの付き合いは非常に大事だが、海外移籍した日本人は言葉で躓き、チームメイトと馴染めずに孤立する選手がわりと多い。その点、久保は言葉の学習などそうしたことに時間を費やすことなく、サッカーだけに集中できる。

 今の久保に、サッカーをする以前のことで欠けているものはない。中田や本田と比較しても今の時点で足りないものは、試合経験のみ。ただ、それも猛烈な勢いで回収している。来年、もう1年、どこかでレギュラーとしてプレーし、経験を積めば、さらにプレーヤーとして成長できるだろう。
 

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