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Jリーグ・国内

“包囲網”にも屈しない川崎の俊英。三笘薫はさらに上のステージへ

小室功

2021.02.25

ゼロックススーパーカップでは田中碧を起点に2本ゴールに結びついた。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

ゼロックススーパーカップでは田中碧を起点に2本ゴールに結びついた。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 川崎のすさまじい攻撃力を支えているのは、もちろん三笘だけではない。昨季序盤で3トップの左に入り、開幕ダッシュに貢献した長谷川竜也も注目すべき存在だろう。第6節の仙台戦での負傷によって約4か月間の戦線離脱を余儀なくされたが、ポジションを争う三笘に負けず劣らず切れ味の鋭いドリブラーだ。前述した札幌との練習試合ではハットトリックを達成し、猛アピール。バックアップに甘んじるつもりなど微塵もないだろう。

 3トップの右を務めるベテランの家長昭博は相変わらず鷹揚だ。ボールを奪われることが少なく、しっかりタメができる。“緩”を巧みに作り、それによって“急”への効果がますます高まるという攻撃の仕組みを生み出している。

 右インサイドハーフの田中碧は、ピッチを縦横無尽に駆け回るダイナモだ。ポゼッションスタイルのサッカーは、時にボール回しに終始してしまう嫌いがなきにしもあらず。それだけに、こういうタイプの野性味は得難い。

 汗かきにとどまらず、ゴールに絡んでいく技術と戦術眼を兼ね備えているので、相手チームにとっては非常に厄介だ。事実、ゼロックススーパーカップでの先制点と決勝点の3点目は田中を起点になっていた。
 
 5年連続でチーム1のスコアラーである小林悠、川崎で3年目を迎える元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアン、“10番”を背負う大島僚太、大卒ルーキーの橘田健人、レンタルバックの遠野大弥など、Jリーグ屈指の攻撃陣をけん引する役者には事欠かない。

 就任5シーズン目の鬼木達監督は「3点を取りにいく姿勢」を強調し、「そこにこだわって、意欲をもって戦いたい」と公言している。

 昨季Jリーグでは4試合を残し、史上最速Vを決めただけでなく、最多88得点をマーク。掲げた目標はさらに上をいく。新たなチャレンジに向き合う川崎。今季もまたJの主役を演じることだろう。

取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)

【動画】三笘薫が2ゴール!G大坂を下したゼロックス・スーパーカップのハイライト
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