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日本代表

【現地発】英紙記者が明かす南野拓実の「リアル評」。出場機会の限られるリバプールで未来はあるのか?

ドミニク・キング

2021.10.16

仲間からは確かな信頼を寄せられているという南野。それがピッチ上で現れる日はやってくるのだろうか。(C)Getty Images

仲間からは確かな信頼を寄せられているという南野。それがピッチ上で現れる日はやってくるのだろうか。(C)Getty Images

 当面の間の出番はリーグカップに限られるだろう。とすれば、南野にリバプールでの未来はないのか。

 クロップは見限ってはいない。チームメイトも信頼を寄せている。南野についてロッカールームで語られる言葉は常にポジティブで、「トッププレーヤー」、「いいヤツだ」と誰もが口を揃えて称賛する。

 指揮官も賛辞を惜しまない。9月下旬にはこう語っている。

「タキ(南野の愛称)は本当に素晴らしいタレントだ。アジアからザルツブルクに渡り、そしてリバプールにやって来た。しかも、すぐにこの難しい状況(新型コロナウイルスのパンデミック)になってしまった。スタジアムにはサポーターもおらず、そのなかでプレミアリーグに適応しなければなかなかった」

 たしかに、移籍してすぐにパンデミックという未曾有の事態に見舞われ、南野は出鼻を挫かれた。ロックダウンで行動が制限され、プレミアリーグ再開後もチームメイトと一緒に食事をしたり、雑談を交わしたり、同じ時間を過ごすことができなかった。新しい環境、新しいチームに適応するのに、これは想像以上に重いハンデだ。選手は日々の交流からピッチ上での相互理解を深めていくものだ。
 
 それでも、昨シーズン後半のサウサンプトンへのレンタル移籍が、南野にとって貴重な経験になったと、クロップは言う。

「サウサンプトンに行って、まったく違う選手になって帰ってきた」

 そして、こう言葉を継ぐ。

「フィニッシュはもちろん卓越しているが、しっかりゲームに絡むことができる。中盤に引くタイミングも心得ている。より幅広くチームに貢献できるようになった。選手にはすぐに結果を求めてはいけない。時間を与えることが肝心だ。彼にはその時間がある。それはアドバンテージだ」

 この言葉どおり、クロップは獲得した新戦力に十分な時間を与え、じっくりとチームに取り込んでいく。もちろん、南野も見捨ててはいない。むしろ、今シーズンこそはと期待を寄せている。年明けの1~2月にアフリカ・ネーションズカップがあり、サラー(エジプト代表)、マネ(セネガル代表)、ケイタ(ギニア代表)が最大で5週間チームを離れるからだ。南野の力が必ず必要になる。その時は間違いなくやってくる。

文●ドミニク・キング(デイリー・メール紙)
text by Dominic KING / Daily Mail

翻訳●松野敏史
translation by Toshifumi MATSUNO

【動画】現地メディアも称賛! 振り向き様に右足で決めた南野の今季初ゴール
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