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海外サッカー

バルサのCL早期敗退に各方面から厳しい声。今夏はメッシ、前回はフィーゴ…21年前との「類似点」とは?

THE DIGEST編集部

2021.12.10

 マドリードのもうひとつのスポーツ紙『AS』からは「バルサはサッカーエリートからの辞意を表明した」と報じられ、元イングランド代表FWのコメンテーター、ジョー・コールからは「勝利をもたらせられる複数の選手を迎えるなど、大規模なチームの再建が必要だ」(『BT Sport』より)と提言されたバルサについては、また国内外の複数のメディアが21年前との興味深い“類似点”を紹介している。

 前述の通り、2000-01シーズンにCLでグループ敗退を喫したバルサだが、このシーズンの開幕前には、ひとつの移籍劇がサッカー界を騒然とさせた。バルサの攻撃の核でもあったポルトガル代表アタッカー、ルイス・フィーゴが、6000万ユーロ(約78億円)で最大の宿敵レアル・マドリーへの禁断の移籍を果たしたからだ。バルサでの待遇に不満を抱いていたフィーゴ、マドリー会長選で「フィーゴ獲得」を公約に掲げていたフロレンティーノ・ペレスの思惑が一致した結果だった。

 以降、バルセロニスタからは「守銭奴」「裏切り者」として嫌われ、カンプ・ノウでのクラシコではCKを蹴る彼に豚の頭などが投げつけられるという逸話も残したフィーゴ。一方、今年は大エースのリオネル・メッシが育成時代から所属してきたバルサを退団した。こちらは最後まで残留を希望していたという点では、フィーゴとは異なるかもしれないが、キャプテンも務めてチームを牽引していた存在が去った一大事件であったことに変わりはない。そして、両選手ともに退団した年にバロンドールを受賞したという点も同じだ。
 
 また、21年前は会長がジョアン・ガスパール(現会長と同じ名前だ)に代わり、ヨハン・クライフのスペクタクルサッカーの信奉者といわれたロレンソ・セラ・フェレールが期待を受けて監督に就任した年でもあったが、会長主導の偏った戦力補強が災いし、また当時の中心選手ジョゼップ・グアルディオラが長期負傷した結果、リバウド、パトリック・クライファート、マルク・オーフェルマルス、ルイス・エンリケ、フィリップ・コクーといった名手を揃えながらも、バルサは不振を極めた(現監督のシャビも在籍して2得点を記録)。

 CLではミラン、ベジクタシュの後塵を拝する3位敗退(マドリー、デポルティボ、バレンシアら他のスペイン勢は全て突破)でUEFAカップ(当時)に移行し、準決勝ではリバプールにノーゴールで敗北。そしてラ・リーガでは一度も2位以上に上がれずに94-95シーズン以来となる4位という順位でフィニッシュし、チームは無冠でシーズンを終えた。なお、期待を受けたセラ・フェレール監督は31節終了後に解任され、カルレス・レシャックが後釜に収まったが、彼もまた翌シーズンに混乱の種となった。

 その後もガスパール会長が多額の負債を生み出し、ルイス・ファン・ハール監督の下でチーム史上最悪の時期で送るなど、暗黒時代はラポルタ会長とフランク・ライカールト監督が到来する2003-04シーズンまで続いたが、当時よりも財政事情的に厳しい現在のバルサは、ロナルド・クーマンの後を受けたシャビの下でいかなる道を辿るのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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