専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
日本代表

ネイマールか、ヴィニシウスか――セレソンエースをめぐる論争に母国メディアは「選択する必要はない」と新旧スターの“共闘”を提言!

THE DIGEST編集部

2022.06.06

 逆に、失敗の歴史を振り返ると、2次リーグ止まりだったものの、ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾによる「黄金の中盤」で大会を席巻した1982年スペイン大会の後、多くの主力が欧州のクラブに移籍したことで代表招集が難しくなり、またカルロス・アルベルト・パレイラ、エドゥ(ジーコの兄)、エバリスト・マセドら監督が短期間で入れ替わったこともあり、次世代となるべきベベット、カーサグランジ、ミューレルといった選手たちへの“引き継ぎ”は行なわれなかった。

 結果、1986年大会でジーコら黄金世代が去った後、セレソンは1987年にコパ・アメリカでチリに0-4というこれまでには考えられなかった大敗を喫し、1989年にも欧州遠征でデンマークに同じく0-4で屈辱を味わうこととなり、長くて「厳しい移行期間」を過ごすことになったのだという。

 優勝を期待されながら、準決勝でドイツに1-7の惨敗を喫するなど、失意の大会に終わった2014年ブラジル大会では、22歳のネイマールとオスカールが攻撃の中心を担ったが、彼らはその前の大会までセレソンの中核を担った主力選手との共闘の時間に恵まれなかった。カカは怪我に苦しみ、ロビーニョは不調、そしてアドリアーノやロナウジーニョはすでに代表チームからは遠ざかっていた。
 
 同メディアは、これらの教訓を活かし、今、ネイマールは、ヴィニシウス、ロドリゴ(マドリー)、さらにはアントニー(アヤックス)、ガブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)、マテウス・クーニャ(アトレティコ・マドリー)、ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル)、ダニーロ(パルメイラス)、アンドレ(フルミネンセ)といった選手と、可能な限り同じ時間を過ごす必要があると主張する。

 カタールW杯で優勝するには、これらの選手が全て集い、またネイマールがアドリアーノやロナウジーニョから得られなかったものを、若いチームに引き継ぐことが必要だという。「セレソンは、ネイマールか、ヴィニシウスか、を選択する必要はない」と断言した同メディアは、「先日の5月31日で、(最後にセレソンが優勝した)2002年日韓W杯から20年が経つ」との文章で記事を締めている。

 70年大会から次の優勝までに、ブラジル国民は24年間も待たされることになったが、果たして今回はどうなるだろうか。チッチ監督のチーム作り、そして新旧スター選手たちのパフォーマンスへの注目度は高まる一方だ。

構成●THE DIGEST編集部

【関連記事】“日本キラー”ネイマールに高まる期待! ブラジル・メディアは森保ジャパンに余裕綽々!?「我々は彼らにとって悪夢だ」

【関連記事】“アジアの虎”を打ちのめしたブラジル。61歳の智将は森保ジャパンに本番モード!「日本も分析し、戦略を練る」

【関連記事】途中出場で決定機演出の前田大然、古橋亨梧をセルティック専門メディアも高評価!「ブラジル戦先発の可能性もある」
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号