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海外サッカー

マドリーのレンタル効果に疑問の声も。遅々としながらも進む久保建英のソシエダ行きを地元メディアはどう見る?

THE DIGEST編集部

2022.07.01

 一方、マドリーの専門サイト『THE REAL CHAMPS』は、レンタルという契約形態に注目し、過去12年間を振り返っての“成功率”を計算。計66件のレンタル案件(久保ら現在進行形の5件は対象外)で、その後、選手がマドリーのトップチームに所属してプレーできたのは15件で、割合では22.72%だと伝えた。

 ちなみに、そのうち3件はファビオ・コエントラン、ガレス・ベイル、ハメス・ロドリゲスというかつての主力が戦力外となったというケースであり、実際は若手選手にとってマドリー復帰はより狭き門であると言える。

 また、今回の久保の案件に関する報道で登場する買い戻しオプションについて、これを契約に含んで売却された選手は23人、権利の一部をマドリーが保有する選手は8人いるが、実際にこれが行使されたのは5人(15.13%)。以降、長くマドリーに定着できたのは、カゼミーロとダニ・カルバハルだけだという。
 
 このように、選手のレンタルが未来の主力の育成に繋がる確率は決して高くないことが数字からも証明されているが、同メディアはその理由として、レンタルに出されても、実際にプレー時間が満足に与えられなかったというケースが少なくないと指摘。そして、久保やレイニエール、アンドリー・ルニンを「最悪のレンタル契約の事例」に挙げた。

 より、レンタルという契約形態を効果的に使う手段としては、これまで以上にレンタルされた選手を綿密に管理するシステムを構築すること、そして彼らのプレー時間を確保するために、最低時間を設定してペナルティー条項を契約に含むこと(レガネス時代のルニンにはこれが適用されたという)などを、同メディアは提案している。

 こうした実情を踏まえたうえで、久保にとって足枷となりかねないレンタルの形態で今後もキャリアを続けるのか、よりマドリーへの道が狭くなる買い戻しオプション込みの移籍を果たすか、あるいはマドリーの“看板”を外して勝負することになるのか……。今夏、いかなる決断が下されるかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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