一方、チームを率いるフランク・クラマー監督は、「マヤはピッチ上のリーダーであり、守備で我々の試合を統率できる。彼はCBなら、右も左もできる。彼の落ち着いたプレースタイルは、どの時間帯においても我々に安定感を与えてくれるはずだ」と、期待を寄せている。
  　昨季はサンプドリアで、序盤は不動のレギュラーだったが、負傷離脱後はプレーも安定感を欠き、日本代表戦でも失点に繋がる致命的なミスを犯したりしたことで、その衰えが指摘されたこともあった吉田だが、現地メディアの多くはシャルケ首脳陣同様、豊富な経験に価値を見出しているようだ。

　クラブが所在するゲルセンキルヘンの地元メディア『HALLOBUER』は「これほどの経験を持つ選手は他にいない。吉田はこのクラブで、サブの役割に甘んじることはないだろう。板倉の“後継者”は、新たなチームの守備のリーダーとなる」と報じ、北ドイツ放送の国民的ニュース番組『tagesschau』の公式サイトは「チームの守備組織に関して、多くのことを知る吉田は貴重な存在であり、この補強は非常に大きな価値がある。板倉を留めることはできなかったが、より安価に豊富な経験を手にすることができた」と綴っている。

　このニュース番組のサイトはまた、吉田の最終ラインのパートナー候補として、フランス国籍を有するマリ・ユース代表の21歳イブラヒマ・シセ（←ヘント）、オーストリアの年代別代表に名を連ねている20歳のレオ・グライムル（←ラピッド・ウィーン）という新加入選手の名を挙げ、こうした若い選手を成長させることにも期待を寄せた。

　11月に開幕するカタール・ワールドカップでドイツ代表と対戦する日本代表のキャプテンということでも、ドイツでは注目を集めている吉田。大きな期待に応えて健在ぶりを示すことができるか要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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