また『EL ESPANOL』は、2019-20年のマジョルカでのシーズンを除けば、久保のレンタルプレーヤーとしてのキャリアは芳しいものではなく、昨季のマジョルカ島再上陸でも「望むほどの進歩はなかった」と評したが、それでもマドリーからの信頼は厚く、今季はヴィニシウス・ジュニオールのスペイン国籍取得が完了さえしていれば、多くのFW選手が退団すると思われる状況で、マドリー復帰の最高のチャンスだったかもしれないという。
  　結果的にそれは叶わない可能性は高く、久保にとっての現在の最大の目的は、「ソシエダのような、この日本人選手の成長を助けることができる、より高い志を持ったチームを見つけることだ」としているが、マドリーの久保への高評価と執着が、それを困難なものとしているのは、なんとも皮肉な話である。

　マドリーとバルセロナのライバル同士のクラブを専門に扱っているサイト『Madrid-Barcelona.com』は、久保がマドリーの所有の下にある状況を批判。「久保の運命は決まっている。彼がマドリーに留まり続けることはない。アンチェロッティ監督も、久保を待ち望んではいない。彼には、走力とフィジカルが欠けている」と、厳しく綴っている。

　また、久保が有しているといわれる商業的な可能性についても、同メディアは「2019年に彼が到来して以降、マドリーの損益計算書には何の変化もない。久保がピッチ上でエキサイティングな状況を生み出さない限り、商業的側面も機能しない」とし、マドリー自体が久保の成功の足枷になっていると指摘した。

　こうした難しい状況の中で、関係者全てが納得できる結末を迎えることができるのか。現地メディアは今週中に久保の去就を決定したいとマドリーが考えていると報じているが、その動向を注意深く見守りたい。

構成●THE DIGEST編集部
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