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海外サッカー

「ピーターパン」の曲芸弾と“マルディーニ3世”の美弾が生まれた「パオロにとって完璧な」サン・シーロの夜

THE DIGEST編集部

2022.11.07

ミラン戦で華麗なゴールを決めたダニエル・マルディーニ(左)。父親の前で成長の跡を見せた。(C) Getty Images

ミラン戦で華麗なゴールを決めたダニエル・マルディーニ(左)。父親の前で成長の跡を見せた。(C) Getty Images

 57歳の智将はまた、この試合で別の素晴らしいゴールを決めたスペツィアのマルディーニにも言及。昨季はセリエAの8試合でピッチに送り出し、今季は武者修行に出した21歳について、「ダニエルがゴールを挙げることを確信していた。これは明らかに星のさだめだ。サッカーとはそういうものであり、彼がプレーすることも分かっていた。パオロ(ダニエルの父親でミランSD)にとっては完璧な夜だったと思う。ダニエルが素晴らしいゴールを決め、ミランが勝ったのだから」と語った。
 
 チェーザレ、パオロ、そしてダニエルと3世代にわたって続いているマルディーニ家とミランの輝かしい関係。同家の選手がサン・シーロでミランの対戦相手としてプレーしたのは、1967年1月8日のチェーザレ(当時トリノ)以来55年ぶりのことであり、ここでのゴールは初。なおサン・シーロでのゴールは、パオロが2008年3月30日にアタランタ戦で決めて以来、実に5333日ぶりだという。

 クラブにとっても、一家にとっても歴史的なゴールを決めたダニエルは、自身のSNSでシュートの瞬間とその後の場面の写真を公開し、「サン・シーロ」とだけ綴っている。昨季、ヘディングでの初ゴールを決めた6節の対戦相手であるスペツィアにレンタルされ、今季は所有元クラブ相手にセリエA初ゴールを決めるという、なんとも数奇なキャリアを積んでいる彼は、美弾を決めても、やはりと言うべきか、笑顔を浮かべたり、大きな喜びを表わすことはなかった。

 この点に『Gazzetta dello Sport』紙も注目し、「父親の目の前で“傑作”を描いた背番号30は、手放しで喜ぶことはなかった。そしてパオロも、スタンドでは平然とし、感情を表わすことはなかった」と親子の表情を伝えたが、続けてこのようにも綴っている。

「ミラニスタへの敬意を表したダニエルだが、仲間に抱きしめられ、囲まれながら、わずかに感動も覚えただろうか。ベルギーからシャルル・デ・ケテラーレを購入したことで、自身をミラノから遠く離れた街に派遣したミランの首脳陣(父親を含む)に明確なメッセージを送ることができたのだから。彼の今季、2度歓喜の輪の中心に身を置いたが(もう1点はコッパ・イタリアのコモ戦)、今夜のことは忘れられないだろう」
 
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