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海外サッカー

「“カタール”W杯は間違い」発言のブラッター氏がプラティニ氏、仏大統領、現FIFA会長らを痛烈批判…

THE DIGEST編集部

2022.11.10

 フランスとカタールといえば、後者の政府(投資庁)の子会社がパリ・サンジェルマンの筆頭株主となっていることが有名だが、国レベルでも経済面で深い関係があり、このサルコジ大統領によるプラティニ氏への「国益重視」の勧告が、後にカタールがフランスの戦闘機を146億ドル(約2兆円)で購入するという「金の問題」に繋がったと、ブラッター氏は改めて主張している。
 
 そしてカタールに開催国が決定すると、同国はインフラ整備に2000億ドル(約29兆円)を費やしてきたが、労働環境の悪さなどによって南アジア系移民が6750人も死亡していることが指摘され、人権問題の見地から世界中の批判を浴びており、また同性愛が禁忌とされている国という点でも、「アパルトヘイト時代の南アフリカでW杯を開催するようなものだ」との批判が、反差別グループなどから寄せられている。

 ブラッター氏は、これらの件についても「亡くなった労働者やその遺族のための基金を創設するという案も出ているが、これに対してカタールは拒否の姿勢を示している。FIFAの会長は最終的な指揮者であるべきだが、ジャンニ・インファンティーノ(FIFA現会長)とカタールが同じ船に乗っている状況で、FIFAは何を言うべきだろうか?」と語り、住居をカタールに移したことが先日報じられた現会長の姿勢にも厳しい見方を示した。

 このようにカタールでのW杯開催決定の裏側を改めて明かし、かつての仲間でもあったプラティニ氏らを批判したブラッター氏だが、彼自身も2015年に汚職に関与したということで失脚したように(後の裁判では無罪判決)、利権まみれの同組織の中心にいたということで、今回の発言も良識以外の、別の理由によるものだという見方がなされるのも無理はないだろう。
 
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