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海外サッカー

メッシの殊勲弾で望みを繋いだアルゼンチン。マラドーナ以来の優勝に期待再燃も「メッシ依存を終わらせるべき」の声も【W杯】

THE DIGEST編集部

2022.11.28

 英国の通信社『REUTERS』は、「メッシはマラドーナに匹敵することができるか?」と題した記事において、「試合後、アルゼンチンの数千人のファンがスタンドに残っていた。彼らが振るフラッグの多くはメッシの顔や背番号(10)だったが、なかにはマラドーナが天からメッシを光で照らしている絵や、この優勝トロフィーを掲げた2人が夕日を浴びながら歩く様を描いたものもあった。夢はまだ続く」と、2人の天才による「偉業のリレー」の可能性に言及した。

 グループリーグを1試合残していることで、出場記録ではマラドーナ超えは必至のメッシ。これを更新し続け、なおかつガブリエル・バティストゥータが持つ10得点という最多記録も破るのは、アルゼンチンにとっての3度目となる世界制覇に大きく近づくのを意味するだろう。母国の命運を握る35歳に対しては、盟友であるディ・マリアも「大事なことは、常にメッシを助けることだ」とコメントしている。

 しかし、これはアルゼンチン代表の長年の課題ともされていた「メッシ依存」に陥る危険性もある。すでに、ここまでの2試合でそれが表われており、『Ole』はメキシコ戦の選手採点で、メッシとフェルナンデスには「8」を与えるも、他は軒並み及第点かそれ以下という厳しい評価を下した。

 アフリカ・ナイジェリアのスポーツメディア『Opera News』は、「メッシは前半のタッチ数がわずか13でチャンスを作れず、ゴールを狙えなかったことで、パフォーマンスは非常に低かった」とし、こう指摘している。
 
「もし彼が後半も同様のプレーを見せていたら、アルゼンチンは勝てなかっただろう。これは、アルゼンチンが彼に依存するのをやめるべきであることを示している。メッシがチームに魔法のような瞬間をもたらさなくても、アルゼンチンは勝つ方法を探し始める時が来た」

 また英国のスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』も、「35歳になっても最も必要な時に自分たちを急上昇させられる選手がいることを、アルゼンチンは知っている」としながらも、「彼らの仕事は終わっていない。ポーランドとの難しい最終戦が待っており、これを制して決勝トーナメントでも上位へ進むためには、彼らのパフォーマンスを大幅に改善する必要がある」と訴えた。

 同メディアは、メッシと同じくパリ・サンジェルマンに所属するキリアン・エムバペがフランス代表の中でうまく機能しており、「前回王者でありながら、それほどプレッシャーはないと思わせるようなプレーを見せている」と報道。一方、足首を痛めて2試合の欠場が報じられているネイマールについて、アメリカの通信社『AP』は「ブラジルは以前ほどネイマールに依存しておらず、チッチ監督には幾つもオプションがある」と綴っており、ライバルたちとメッシの置かれた状況の違いを強調している。

 1986年メキシコ大会のアルゼンチンは「マラドーナを活かすチーム」を創り上げ、彼を活かすスタイルで栄光を掴んだが、ここ数大会は「メッシに頼るチーム」だった同国が、ここから改善を遂げるのか。あるいは、今回も天才の起こす奇跡に期待し続けるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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