米スポーツ専門チャンネル『ESPN』は「PKが再びイングランドを破滅させた」と報じ、スコットランドの日刊紙『THE SCOTSMAN』はイングランド代表の公式応援歌のタイトルである『It's Coming Home For Christmas』を文字って、「スリーライオンズはクリスマスの前に帰宅することに……」と報じ、母国代表チームの最多得点記録を更新することが期待されたケインのPK失敗について「1990年、トリノでのうだるような暑さの夜で西ドイツ(当時)と対戦したクリス・ワドルのことを思い起こさせた」と綴っている。
外せば敗退決定の5人目で登場したレジェンドが左足で放ったシュートがクロスバーを越えた32年前の場面は、勝てば優勝に限りなく近づいたこともあって、イングランドサッカーにとっては苦い思い出だが、英放送局『TalkSPORT』や『ITV Sport』でコメンテーターを務めるサム・マターフェイス氏が「イングランドはガリー・リネカー(90年大会のエースストライカーで西ドイツ戦のPK戦でも1番手で成功)を必要としていたが、ワドルを手に入れてしまった」と皮肉し、大きな非難を浴びることとなった(英日刊タブロイド紙『The Mirror』より)。
サッカーの母国にとっては、その歴史の中にまた一つ苦い思い出が付け加えられることとなったが、英日刊紙『The Guardian』は「ケインには残酷な結果となったが、イングランドは世界でベストのチームに敗れたことを恥じるべきではない」と題した記事で、代表チームをポジティブに評価。「ガレス・サウスゲイト監督がカタールに送り込んだのは、明らかに最高のチームだった。彼らは非常に良く、可能な限りのことをやった。フランス相手に、足跡を残して去って行った」と報じた。
しかし同時に、「イングランドは高いボールの支配率を記録するも、フランスより確実性が低かった。そして現実には、フランスはこの時点で試合に勝っていた。彼らはより強く、より余裕を持って、よりスムーズにプレーできていた」とライバルとの差を指摘して、イングランドに欠けていた部分にも言及している。
『ESPN』は、前回大会のクロアチア、EURO2020でのイタリア、そして今大会のフランスと、直近3大会のメジャーイベントでイングランドを下したライバル国を振り返り、比較としてイングランドにはルカ・モドリッチ、マルコ・ヴェッラッティ、そしてグリーズマンのようなプレーメーカーがいなかったとして、2年後のEURO、さらにその先のW杯で、これまでのチームからより進化を遂げてタイトルを獲得するためには、この点の改善が必要だと訴えた。
同メディアは、フィル・フォデンをジョーダン・ヘンダーソンの代わりに中盤で起用し、中盤と前線をリンクする役割を担わせれば、この試合で長い時間見られた「ゆったりとした横パスの連続、相手にとって予測可能な動き、可能性の低いクロス」という以前からの弱点を減らせ、よりフランスを苦しめさせられたのではないかと見ている。
その他の候補として、ジェームズ・マディソン、ジャック・グリーリッシュの名前も挙げ、「どちらにも欠点はあるが、それはグリーズマンも同様だが、ディディエ・デシャン監督は選手の長所を活かすことを重視している」と綴り、その一方でサウスゲイト監督は「安全な選択肢」に頼りがちであり、「勇敢な采配よりも、リスクを回避する傾向がある」として、フランス戦での中盤の攻勢にも疑問を呈した。
攻撃的なスタイルや戦力的な厚みなど、好印象を与えた感のあるイングランドだが、同メディアは「イングランドには、ピッチの中心に才能と創造性が不足していることが判明した。彼らは悪循環に陥っている」と厳しく評し、EURO2024での戴冠のためには、クリアすべき大きな課題があることを指摘している。
構成●THE DIGEST編集部
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サッカーの母国にとっては、その歴史の中にまた一つ苦い思い出が付け加えられることとなったが、英日刊紙『The Guardian』は「ケインには残酷な結果となったが、イングランドは世界でベストのチームに敗れたことを恥じるべきではない」と題した記事で、代表チームをポジティブに評価。「ガレス・サウスゲイト監督がカタールに送り込んだのは、明らかに最高のチームだった。彼らは非常に良く、可能な限りのことをやった。フランス相手に、足跡を残して去って行った」と報じた。
しかし同時に、「イングランドは高いボールの支配率を記録するも、フランスより確実性が低かった。そして現実には、フランスはこの時点で試合に勝っていた。彼らはより強く、より余裕を持って、よりスムーズにプレーできていた」とライバルとの差を指摘して、イングランドに欠けていた部分にも言及している。
『ESPN』は、前回大会のクロアチア、EURO2020でのイタリア、そして今大会のフランスと、直近3大会のメジャーイベントでイングランドを下したライバル国を振り返り、比較としてイングランドにはルカ・モドリッチ、マルコ・ヴェッラッティ、そしてグリーズマンのようなプレーメーカーがいなかったとして、2年後のEURO、さらにその先のW杯で、これまでのチームからより進化を遂げてタイトルを獲得するためには、この点の改善が必要だと訴えた。
同メディアは、フィル・フォデンをジョーダン・ヘンダーソンの代わりに中盤で起用し、中盤と前線をリンクする役割を担わせれば、この試合で長い時間見られた「ゆったりとした横パスの連続、相手にとって予測可能な動き、可能性の低いクロス」という以前からの弱点を減らせ、よりフランスを苦しめさせられたのではないかと見ている。
その他の候補として、ジェームズ・マディソン、ジャック・グリーリッシュの名前も挙げ、「どちらにも欠点はあるが、それはグリーズマンも同様だが、ディディエ・デシャン監督は選手の長所を活かすことを重視している」と綴り、その一方でサウスゲイト監督は「安全な選択肢」に頼りがちであり、「勇敢な采配よりも、リスクを回避する傾向がある」として、フランス戦での中盤の攻勢にも疑問を呈した。
攻撃的なスタイルや戦力的な厚みなど、好印象を与えた感のあるイングランドだが、同メディアは「イングランドには、ピッチの中心に才能と創造性が不足していることが判明した。彼らは悪循環に陥っている」と厳しく評し、EURO2024での戴冠のためには、クリアすべき大きな課題があることを指摘している。
構成●THE DIGEST編集部
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