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「王様vs王位継承者」 W杯決勝でのメッシとエムバペの対峙に英紙は「これ以上ないラストストーリー」と期待

THE DIGEST編集部

2022.12.16

 このように一抹の不安があるが、アルゼンチンの戴冠には不可欠な存在であるメッシには大きな期待がかけられており、またエムバペとの“対決”にも注目が集まっている。この12歳差の新旧スーパースターの顔合わせを、英国の『Mirror』紙は「王様vs王位継承者」と表現し、「脚本家にとって、これ以上のW杯のラストストーリーを思いつくことはないだろう」と綴っている。
 
「それぞれの世代で最も優れている選手同士、それも同じクラブに所属する者同士の戦いは魅力的なものとなることが約束されている」という同メディアは、35歳のメッシにとっては最後のW杯優勝のチャンスであり、一方ですでに十代で最初の世界制覇を果たしたエムバペにとっては、自身が世界最高の選手であることを証明する最高のチャンスだと指摘する。

 その野心をエムバペが隠したことはないとして、過去に彼が語った「僕は近いうちにバロンドールを勝ち取れるだろうと考えている。僕はいつも、全てを手に入れることを夢見ている。それに限度はない。僕は新しい世代の選手だ。(クリスチアーノ・)ロナウド、メッシはいずれプレーを止めることになる。そして、我々は彼らの代わりとなる、別の選手を見つけなければならない」とのコメントを紹介している。

「世代交代」を迫るエムバペにとって、日曜日の決勝はそれを実現する最適の舞台であり、今大会で数々の驚きを提供してきたメッシが最後の栄誉を手に入れようとするところで、若い継承者がそれを台無しにすることは十分にあり得る。そしてメッシ自身も、彼がキャリアを終える際、その穴を埋める存在としてエムバペが相応しいことに同意しているという。

「キリアンは他とは異なる選手であり、1対1に非常に強く、スペースに飛び込み、非常に速く、多くのゴールを決める“野獣”だ。完璧な選手であり、それをこれまで何年間も証明してきたし、今後もそうするだろう。この先の数年間で、彼は間違いなく世界でベストな選手になる」

 それぞれの異なる夢を実現するための最大のチャンスを得て、W杯決勝という最高の舞台で対峙する2人。チームの勝利が優先されるのは当然だが、興味の対象は個人タイトルの行方にも向けられている。前述の通り、得点ランキングでともに5得点とトップで並んだ彼らが、決勝でもゴールを挙げて雌雄を決することになるのか。アシスト数ではメッシ(3回)がリードしているが、モロッコ戦の2点はいずれもエムバペのシュートを起点に生まれており、こちらも両者は譲らない。

4得点でオリビエ・ジルー、フリアン・アルバレスも2人を追っており、準決勝終了時点で決勝進出チームの選手がランキング首位から1点差以内に4人も名を連ねているという、これまでにないシチュエーションでは、ゴールデンブーツを懸けた争いも熾烈さを極めそうだが、そこでも鍵を握るのは、やはりメッシとエムバペということになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部
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