そして32か国体制最後のカタール大会の激戦ぶりは周知の通りだ。GSで3連勝したチームはひとつもなく、3連敗をしたカタールも全試合が2点差。厳しい組に入ったカナダも、最も差をつけられたのがクロアチア戦で1-4だった。さらにGSのスペイン戦で大会一の大敗(0-7)を喫したコスタリカも、次戦では同組首位通過の日本を下している。アルゼンチンがGS最下位のサウジアラビア戦で黒星スタートを切ったことを振り返っても、参加国数は増えながら逆に息の抜けない試合の増加傾向が見て取れる。
結局参加国が増えれば、常連国の経験値も、チャンスが生まれた新興国のモチベーションも高まる。同時に情報化時代の影響もあり、大陸内での切磋琢磨も短期間で激化しレベルも底上げされるので、伝統国が脅かされる流れは容易に想像がつく。全体の参加国枠とともに、欧州の出場国も増えている。しかし今回も過去4度優勝のイタリアや、準優勝経験国のハンガリー、チェコ、スウェーデンなどが本大会に到達できていない。アジアに目を転じても、中東や東南アジア諸国のように国内組で構成するチームは、トップシーンの経験値は不足しても代表強化の時間は確保し易い。常連の日本は標的として徹底対策を施されることになるはずだが、反面そういう試合で苦戦が続けば世界で勝つための準備不足を招きかねない。
また一方でノックアウトステージの試合が増えるレギュレーションの変更も、どう影響するかは組み合わせ次第だろう。3か国中上位2チームがGSを突破できるので、ノックアウトステージへ進める確率は高まるかもしれない。だがまだ日本はノックアウトステージでの勝利がなく、過去4度も跳ね返された苦い想いがある。現状でもドイツとスペインを下しながら、コスタリカに足をすくわれる極端な二面性も不安要素だ。
次回は大会そのものがカップ戦の様相を濃くするので、番狂わせを誘発しやすくなる。ところが目下日本の選手層の厚さは史上最高で、4年後もさらに上げ潮の可能性を秘めている。充実期を迎えるタイミングだからこそ、GSを抜ければ16チームに絞られる現行の方が目標に近づき易かったのかもしれない。
文●加部 究(スポーツライター)
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次回は大会そのものがカップ戦の様相を濃くするので、番狂わせを誘発しやすくなる。ところが目下日本の選手層の厚さは史上最高で、4年後もさらに上げ潮の可能性を秘めている。充実期を迎えるタイミングだからこそ、GSを抜ければ16チームに絞られる現行の方が目標に近づき易かったのかもしれない。
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