「なぜ日本人選手は大学で“研修”を行なうのか？」と題した『SPORT FOOT MAGAZINE』誌の記事で、同メディアは「才能がある若い日本人選手は、18歳の時に２つの選択肢を提示される。クラブとプロとして契約するか、強いサッカー部を有する４年制大学への進学だ。後者の多くは関東に集中するが、関西や九州にも所在する」と、日本の“システム”を紹介した上で、大学進学のメリットを以下のように挙げた。
  「多くの選手はクラブ（プロ）でプレーすることを好み、大学に行くのは時間の無駄だと思うだろうが、それは誤りだ。日本には、大学サッカーの文化が根付いている。そして、プロとしてのキャリアのスタートが遅くなることは、キャリアが（短くなるのではなく）終わるのも遅くなることを意味する。それは、36歳を過ぎても現役を続ける日本人選手の数を見れば明らかである」

「三笘が通った筑波大学のような名門大学の設備は非常に高いレベルのものがあり、各ポジションに複数のコーチがいる（複数のチームがあるため）他、プロクラブからデータおよびビデオ分析を行なう技術スタッフや栄養士を招聘し、時にはプロ選手からの指導も受けられる。設備は、本物のプロクラブ並みだ。筑波大では、テクニカルスタッフはデータ分析において日本一であり、日本のプロクラブをも凌駕している面がある」

「これが、三笘が才能を磨くことができた理由だ。自身の欠点を正確に知り、これの解消に取り組むことで、我々が今見ている並外れた選手になれた」と同メディアは綴るが、一方で筑波大の選手でも、サッカーキャリアを続けられるのは全体の20％以下であるため、「今後の人生のためにも、大学の卒業証書を手にすることが必要である」とも指摘する。

　他にも、セルティックの古橋亨梧（中央大）、カーザ・ピアの相馬勇紀（早稲田大）、スタッド・ランスの伊東純也（神奈川大）ら「日本サッカー界にとって重要な名前ばかり」が大卒であることを紹介し、「三笘のプレミアリーグでの活躍が、日本の大学サッカーのイメージを上げるのに大きく貢献している」と綴られ、記事は締められている。