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海外サッカー

「僕は100%チュリ・ウルディンになる」R・ソシエダで異彩を放った久保建英。間近で見た地元記者が明かす至極の“ラ・レアル愛”

THE DIGEST編集部

2023.06.21

 久保のラ・レアル愛は本物だ。「ファンに愛されていることが僕のモチベーションだ。プレーするたびにその愛情に応える義務を感じている。アノエタでは特にそうだ。そのことは明確に結果に表われている」と感謝の気持ちを口にするこの言葉からもそれは明らかだが、ファンの声援、チームのプレースタイルとの相性の良さ、加入時に抱いた「これが最後のチャンス」という強い危機感が、活躍を後押しした。

 そんな久保のモチベーションの根底にあったのは、ラ・レアルの選手としてチャンピオンズリーグ(CL)でプレーすることだ。慎重な物言いに終始する選手が多いチームにおいて、クラブレベルで最高峰の大会への出場が目標と公言したのは彼が最初だった。

 スペインでは、1人の選手がレアル・マドリーとバルセロナの2強から関心を持たれるたびに、「一生に一度のチャンスだ。逃すわけにはいかない」といった類の論調をメディアは展開する。その傾向はマドリー系、バルサ系を問わないが、本当の一生に一度のチャンスは10年ぶりにCL出場権を獲得したラ・レアルのようなチームの一員として、欧州ナンバー1クラブの座を懸けてプレーすることなのかもしれない。
 
 今年3月にドノスティア近郊の町ラサルテ=オリアで、2月の月間MVPの受賞イベントが開催された。会場はファンで溢れ返り、その大半が日本人アイドルにハグしたい子供たちだった。翌日にはヨーロッパリーグ(EL)ベスト8進出を懸けたローマへの遠征が控えていた。

 クラブの広報スタッフは、「写真撮影の際にポーズを取る必要はない。さっさとサインをするだけでいい」と告げると、「そんなことできるわけないじゃないか。子供に言えるはずがない」とタケは返答。4時間かけて、彼は一人ひとり丁寧に応対した。

 久保はすでにラ・レアルの顔だ。来シーズン、CL出場を控えるチームにとって欠かすことができない戦力だ。『ノティシアス・デ・ギプスコア』紙の取材によると、ポジションが重なるマルコ・アセンシオが退団したにもかかわらず、本人の意思を尊重し、マドリーは今夏での復帰に動くことはないようだ。むしろ脅威になるのは、プレミアリーグ勢になるだろう。昨夏も金満クラブのひとつであるニューカッスルから触手が伸び、アレクサンダー・イサクを手放していた。

 ともあれ、最終的に決めるのは久保本人だ。聡明なタケであれば、アルグアシル監督が再三指摘するように、ラ・レアルにとどまったほうがプラスになると判断しているはずだ。もうしばらく彼はチュリ・ウルディン、「白と青」のプレーヤーである。

取材・文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア記者)
翻訳●下村正幸

【動画】R・ソシエダ加入1年目で大活躍!!久保建英の全ゴールをプレイバック

【動画】CL出場権獲得に大きく貢献!スペインで鮮烈な印象残した久保建英の1シーズンを振り返る!

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