つまるところ、現在マドリーの陣容はFW不足、MF過多という歪な状況に陥っているが、スペインメディアの『Relevo』は「4-3-3から4-3-1-2へシフトする可能性がある」と伝えている。ポイントは、ベリンガムをそのトップ下に配置すること。アタッカー顔負けの得点力を誇る彼をゴールに近づけることで、ベンゼマ退団のダメージを少しでも補おうという算段だ。
一方、パスセンスに長けたギュレルは、まず熾烈な定位置争いを勝ち抜くことが前提となるが、ベンゼマの退団でこれまで以上に責任を負っていかなければならないヴィニシウス・ジュニオールとロドリゴの得点増をもたらすアシスト役となる資質を秘めている。前述の4-3-1-2の話を続ければ、前線の構成はそのブラジル人コンビが2トップを組む案が最有力。また純粋なFWとして、ホセルがその一角を担う形でスタメン出場する機会も増えそうだ。
このように9番がこのまま空き番になっても、その事態に備えるプランは用意されているが、もちろん前線の補強が見送られたわけではない。最大のターゲットはもちろんキリアン・エムバペだ。現在はパリ・サンジェルマンとの契約問題の推移を見守っている段階。退団必至の状況となれば動くだろうし、その逆の展開になっても、プレシーズンや、8月中旬に開幕するラ・リーガの序盤戦で前線の得点力不足を露呈する戦いを続ければ、急きょ他の選手を獲得する可能性もゼロではない。
エムバペの獲得で生じる懸念材料は、このフランス代表FWが左サイドでボールを受けるプレーを得意とし、ヴィニシウスとポジションが重なる部分がある点だ。ただマドリーが近年、これと決めた選手をまずは獲得し、ピッチ上での配置や組み合わせは後で考えるという補強戦略を進めているのは前述した通り。ポジションの重なりが原因で獲得を断念することは考えられない。ただいずれにせよ、主力がほぼ固まっていたこれまでのチームに比べて、未知数な部分が多いことは間違いない。
エムバペの移籍騒動が今後どんな決着を迎えるか不透明なように、マドリーの9番問題もまた流動的である。
文●下村正幸
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