選手、指導者として計22ものタイトルを獲得したザガロは、昨年同国の総合メディア『Globo』が実施した歴代最高の監督を選ぶ投票（100人以上の監督経験者がそれぞれ1位から３位までを選出）で、総得点ではテレ・サンターナに次ぐ２位となったものの（得点差はわずか16点で、３位のルイス・フェリペ・スコラーリとは90点差）、ザガロを１位にした投票者数は最多だったという。

　このようなサッカー王国の栄光の大部分に関わってきた偉大なレジェンドに対し、CBF（ブラジル・サッカー連盟）のCBFのエジナウド・ロドリゲス会長は、「CBFはこのサッカー界のアイドルの旅立ちという悲しみの瞬間に、彼の家族とファンへの連帯を表明する」との声明とともに、７日間喪に服すことを発表している。
  　その死に際しては、パレイラ、ジーコ、パウロ・ロベルト・ファルカン、ロナウド、カフー、ベベット、ブランコ、クラウディオ・タファレル、リカルド・ロシャ、ロナウジーニョ、アドリアーノらブラジル・サッカー界のビッグネームたちが、SNSやメディアを通して哀悼の言葉だけでなく、「ありがとう、マスター」「サッカー史上最も偉大な存在だった」「サッカーの友であり、先生だった」と、敬意と感謝のメッセージを贈った。

　また各国のメディアも、フランスの日刊紙『Le Figaro』は「美しいゲームの彫刻家だった」、スポーツ紙『L’EQUIPE』は「王様ペレの死から１年後、またひとりブラジルの伝説が消えた」「ザガロほどセレソンに貢献した人物はいない」、スペインのスポーツ紙『MARCA』は「W杯史上最も偉大なチャンピオン」などと、サッカー界に多大な貢献をした偉人の逝去を悼んでいる。

　もちろん、これを機にザガロに関する様々なエピソードが紹介されており、スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、彼が４バックシステムを確立したこと、そして70年W杯ではそれまでの４-２-４システムを４-３-３（状況に応じて４-５-１）に変更するなど、時代を大きく先取りしていたことを紹介し、「ペレ、ジャイルジーニョ、カルロス・アウベルト、リベリーノの勝利と同じぐらい、ザガロの勝利でもあった」と、その功績を称えた。

　１月７日、CBF本部に安置され、多くの人々から別れの言葉を受けた後にサン・ジョアン・バチスタ墓地に埋葬されたレジェンド。偉大なる歴史の創成者の冥福を祈りたい。

構成●THE DIGEST編集部

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