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海外サッカー

メニャン&パーマーへの人種差別に対して各方面から連帯と支持の表明と厳罰を求める声が! ウディネーゼ・サポーターは「証拠がない」と反論

THE DIGEST編集部

2024.01.23

 また、パーマーも「人種差別は恥ずかしいことだ。それは世界において、ましてやサッカーおいて、居場所はない。僕は黒人であることを誇りに思っているし、3人の子どもたちにも同じように教えている。正直、どんなに頑張っても物事は変わらないような気がする。数人のファンが猿の鳴き声を上げたとしても、それがファン全体を定義するものではない。僕が受けた全ての愛とサポートに感謝している」と、SNSを通してメッセージを発している。

 彼らに対しては、同じ選手から励ましや言葉が多く寄せられており、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)は、フランス代表のチームメイトであるメニャンに対し、「君は決して孤独ではない。我々は君とともにある。まだ同じ問題があり、解決策はまだありません。いい加減にしてくれ。人種差別にNO」、ローマのアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラも「ピッチの中でも外でも、サッカー界に人種差別の居場所はない。マイクを全力でサポートする」と、SNSにメッセージを投稿した。

現役時代はアーセナルで活躍した元イングランド代表ストライカー、イアン・ライトは、チームに対し、「差別的な言動を見聞きした場合、ピッチから離れ続けるようにすべきだ」と訴え、運営側には「我々はこれまでも『我慢してプレーする』ということを試みてきたが、何も変わらなかった。勝点の減点が必要であり、罰金は無意味」と、より強力な制裁を要求している。

 なお、ウディネーゼのゼネラルディレクター、フランコ・コッラビーノは、クラブがスタジアムのカメラと音声ファイルのスキャンを開始し、犯人の特定に努めていることを明かし、「惨めな輩2、3人によるものだと思われるが、それだけの人数でも十分深刻な事態だ」とスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』紙に語った。またパーマーの件では、現地のサウス・ヨークシャー警察が捜査に乗り出しており、「両クラブやウェスト・ミッドランズ警察と協力し、状況把握とともに、関係者を特定する」とのことだ。
 
 ウディネのアルベルト・フェリーチェ・デ・トーニ市長も、メニャンとミランを公然と支持し、蛮行に走ったファンを永久入場禁止にすることを求めているが、対してウディネーゼのサポーターグループ「Curva Nord Udine Amarcord」は、「50台のセキュリティーカメラや、多くのマイク、そしてオフィシャルがいる中で、この“神秘的”な人種差別発言を聞いたのはメニャンだけなのか?」と疑問を呈し、さらに以下のように不満を露にした。

「収賄で捜査を受けているFIFA会長と、警察やスポーツ判事らでも証明できていないことを非難するCONI(イタリア・オリンピック委員会)会長! (中略)テレビの発言やSNSでの投稿を、なぜ誰もがすぐ信じるのか? サポーターや我々を中傷する前に、少なくとも証拠を見せてくれ」

 彼らは状況が誇張されて伝わっており、何も証拠がないのに事が独り歩きしていると主張しているわけだが、これを報じたミランのクラブ専門サイト『sempremilan.com』は、「この声明はどこからも、どのような支持も得られない可能性がある」と綴って、記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部

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