ワールドカップやEUROのように1点の重みがきわめて大きく、ミスや偶然、そして運によって結果が決定的に左右されやすいビッグトーナメントでタイトルを勝ち取るためには、アクシデントそのものを減らすことが重要で、最も確率の高い道だと指揮官は確信しているように見える。
だが、それに徹して内容はともかく結果レベルでは当初の目的(GS1位通過とベスト8進出)を達成した指揮官も、ラウンド・オブ16のスロバキア戦で垣間見た敗北の淵の暗さは、さすがに堪えたのかもしれない。続くスイスとの準々決勝から、少しずつチームの戦術的な振る舞いに積極性と能動性を加えてきた。
最も大きな変化は、基本システムを流動性の低い4ー2ー3ー1から3バックの3ー4ー2ー1に変えたことだ。守備時と攻撃時で異なる配置を取る可変のメカニズムも導入している。守備時の配置は、3バックの両脇にウイングバック2人(サカ、キーラン・トリッピアー)が下がって5バックを構成し、その前を2ボランチが固め、前の3人(フォデン、ケーン、ベリンガム)が、スイスのビルドアップの起点となる3バックに同数で正対する5ー2ー3となる。
これはおそらく、同じ3ー4ー2ー1システムを採用していたスイスに対して、守備の基準点を明確にするミラーの配置が狙いだったのだろう。積極的にプレッシャーをかけにいくわけではない受動的な振る舞いは変わらないが、いずれにしても守備の安定度は担保されていた。
明らかに変化したのは、攻撃時の振る舞いだった。ポイントは、3ー4ー2ー1への移行に合わせて、それまで左ウイングとしてプレーしていたフォデンが、右トップ下(いわゆるシャドーストライカー)に移ったことだ。
左利きのフォデンは、「逆足」になる右サイドの方がゴールに向かって斜め方向にプレーしやすいため、中央のケインやベリンガムとの連携が取りやすくなる。同じ右サイドのボランチに、縦へのダイナミズムを備えテクニックにも優れたコビー・メイヌーが定着したことで、これまで右の大外で孤立していたサカも連携に巻き込めるようになった。左サイドに攻撃が偏っていた最初の4試合とは対象的に、右サイドに人数をかけて攻撃を展開する頻度がぐっと高まったのだ。
だが、それに徹して内容はともかく結果レベルでは当初の目的(GS1位通過とベスト8進出)を達成した指揮官も、ラウンド・オブ16のスロバキア戦で垣間見た敗北の淵の暗さは、さすがに堪えたのかもしれない。続くスイスとの準々決勝から、少しずつチームの戦術的な振る舞いに積極性と能動性を加えてきた。
最も大きな変化は、基本システムを流動性の低い4ー2ー3ー1から3バックの3ー4ー2ー1に変えたことだ。守備時と攻撃時で異なる配置を取る可変のメカニズムも導入している。守備時の配置は、3バックの両脇にウイングバック2人(サカ、キーラン・トリッピアー)が下がって5バックを構成し、その前を2ボランチが固め、前の3人(フォデン、ケーン、ベリンガム)が、スイスのビルドアップの起点となる3バックに同数で正対する5ー2ー3となる。
これはおそらく、同じ3ー4ー2ー1システムを採用していたスイスに対して、守備の基準点を明確にするミラーの配置が狙いだったのだろう。積極的にプレッシャーをかけにいくわけではない受動的な振る舞いは変わらないが、いずれにしても守備の安定度は担保されていた。
明らかに変化したのは、攻撃時の振る舞いだった。ポイントは、3ー4ー2ー1への移行に合わせて、それまで左ウイングとしてプレーしていたフォデンが、右トップ下(いわゆるシャドーストライカー)に移ったことだ。
左利きのフォデンは、「逆足」になる右サイドの方がゴールに向かって斜め方向にプレーしやすいため、中央のケインやベリンガムとの連携が取りやすくなる。同じ右サイドのボランチに、縦へのダイナミズムを備えテクニックにも優れたコビー・メイヌーが定着したことで、これまで右の大外で孤立していたサカも連携に巻き込めるようになった。左サイドに攻撃が偏っていた最初の4試合とは対象的に、右サイドに人数をかけて攻撃を展開する頻度がぐっと高まったのだ。
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