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海外サッカー

「幸せな瞬間が多くあった」イニエスタ、40歳で栄光に満ちたキャリアに終止符! 神戸時代を「素晴らしい経験だった」と回想

THE DIGEST編集部

2024.10.10

 2014~2017年までのボスだったルイス・エンリケは「暗くなってボールが見えなくなっても、母親に呼び戻されるまで路上でサッカーをしている子どもの頃の気持ちを、プロになっても体現していた。それがアンドレス・イニエスタだ。彼は40歳になっても、まだプレーを続けるべきかどうか迷っていた」と、この“マエストロ”の本質を指摘した。

 ともに黄金時代の扉を開いたペップ・グアルディオラ(2008~2012年)は、「6試合で勝点1しか取れず、降格圏に近かった時、アンドレスは私に『我々は正しい方向に進んでいる。人々は幸せだ。状況は好転するだろう』と言った。それが私に前進し続けるために必要なエネルギーを与えてくれた。私はそのことに常に感謝している」と、監督就任1年目のエピソードを紹介している。

 そして、代表チームで世界&欧州の両方を制した際のボスであるビセンテ・デル・ボスケは、「(バルセロナ)ダービーでバルサがエスパニョールに4-1か5-1で勝ったのを憶えているが、敵地だったにもかかわらず、イニエスタはスタンディングオベーションを受けながらピッチを去った。このことが、彼がどれほど人々から愛されているかを完璧に表わしていると思う」と、いかにこのMFが見る者の心を魅了する選手だったかを強調した。
 
 レアル・マドリーのレジェンドでもあるデル・ボスケは、スポーツ紙『MARCA』でのインタビューでも、宿敵バルサの中核であるとともに「ラ・ロハ」(スペイン代表の愛称)では最も頼れる存在のひとりだったイニエスタを称賛しており、「普段は控えめで慎重に行動する少年だったが、必要な時にはしっかり意見を言い、周囲から尊敬を集めていた。彼を含め、そこにいた全員がチャンピオンになるに相応しい選手だった。我々は、チャンピオンになる運命にあったと思う」と語っている。

 彼はまた、イニエスタの新たなキャリアについて「最も重要なのは、彼がこのスポーツの中で自分に合った選択をし、自分が最も能力を発揮できる活動をしていくことだ。何より、彼が今後もサッカーから離れることのないよう願っている」と助言するとともに、変わらぬサッカーへの貢献に期待を寄せた。

 全てのタイトルを手にし、2010年W杯では優勝決定のゴールを決めるなど、栄光に包まれたキャリアを過ごしたイニエスタだが、一方でメッシ、クリスティアーノ・ロナウドという歴史的な選手と同時代を生きたことで、個人タイトルの最高峰であるバロンドールをついに手にできなかったことは、彼にとって唯一の不運と言えるかもしれない。しかし、それが彼のサッカー人生に何ら影を落とすことはなく、偉大なピッチ上の創造者として世界中で記憶されるに違いない。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】天才イニエスタのバルサ時代をプレイバック!
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