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CLトップ8にインテル、ミラン、アタランタ、EL1位がラツィオで、フィオがECL3位「セリエAが低迷期からようやく脱却し、復権に向けて確かな歩みを」【現地発コラム】

片野道郎

2025.01.27

リーグフェーズ第7節で、ボローニャが昨シーズン準優勝のドルトムントに2ー1と逆転勝ち。クラブ史上初のCL勝利に、イタリアーノ監督は選手と抱き合って喜んだ。(C)Getty Images

リーグフェーズ第7節で、ボローニャが昨シーズン準優勝のドルトムントに2ー1と逆転勝ち。クラブ史上初のCL勝利に、イタリアーノ監督は選手と抱き合って喜んだ。(C)Getty Images

「敗退は決まっているけれど、私にとっても選手たちにとっても、この勝利はひとつの夢の実現だ。チームはCL開幕当初と比べて大きく成長している。若いチームだからまだまだ大きな伸びしろも残っている。いつかまたこの舞台に戻ってきたいが、まずは来シーズンもヨーロッパの舞台(EL、ECL)で戦い続けるのが目標だ」(イタリアーノ監督)

 今シーズンのボローニャは、昨シーズンの躍進を支えたT・モッタ監督をはじめ、FWヨシュア・ジルクゼー(現マンチェスター・U)、DFリッカルド・カラフィオーリ(現アーセナル)がメガクラブに引き抜かれ、イタリアーノ新監督の下で若いタレントを新戦力に加えて再構築途上にある。指揮官の言葉通りチームは大きな伸びしろを残しており、セリエAでも序盤のもたつきを経て、8位と着実に順位を上げてきている。

 今回のCL出場がもたらすであろう収入を有効に活用して戦力をさらに強化し、ELやECLに継続して出場しつつ実力を蓄えていけば、近い将来、またCLの舞台に返り咲くことは十分に可能だろう。

 実際イタリアには、そのボローニャと同じ一介の中堅クラブに過ぎなかったにもかかわらず、継続性のあるプロジェクトに基づいてピッチ上とピッチ外の両面で着実に実績を積み上げているクラブがある。今やセリエAではスクデット争い、CLでもトップ8に入ろうかというレベルまで成長を遂げたアタランタだ。

 今シーズンで9年目を迎えたジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督の長期政権の下、マンツーマンディフェンスに基盤を置いた独特なスタイルの攻撃サッカーを追求し、2019ー20シーズンのCLでベスト8、昨シーズンはELでリバプール、レバークーゼンを下して優勝と、アタランタは欧州カップ戦の舞台で一目置かれる存在となっている。

 今シーズンのCLでも、アーセナルと引き分け、レアル・マドリーには2ー3と惜敗したものの、シャフタールに3ー0、ヤングボーイズに6ー1、シュトルム・グラーツには5ー0と圧勝を重ね、セルティックとのスコアレスドローと合わせて7試合で勝点14を積み上げて7位につけている。
 
 リーグフェーズの最終節で勝利すれば、このままトップ8入りが確定し、バイエルン、R・マドリー、ユベントス、マンチェスター・Cといったメガクラブ勢を尻目に、プレーオフをパスしてのベスト16進出が決まる勘定だ。

 最終節の相手は、2位バルセロナとのアウェー戦。リバプールと並んでCLでは別格の強さを見せつけている超エリートクラブを相手に、どんな戦いを見せてくれるのかが楽しみだ。ちなみに、残るイタリア勢は、現在4位(勝点16)のインテルが10位のモナコと、6位(同15)のミランが26位のディナモ・ザグレブ(監督はファビオ・カンナバーロ)、17位のユベントスは21位のベンフィカと対戦する。

 インテルは引き分け以上、ミランはアタランタと同様に勝利で、それぞれトップ8入りが確定する計算。いずれも机上では勝ちが見込める相手だけに、しっかりと勝点3を手に入れたい。

 イタリア勢はCLで3チームがトップ8入りを争っているだけでなく、ELでもラツィオが1位、ECLではフィオレンティーナが3位と、それぞれベスト16への勝ち上がりを決めており、欧州カップ戦の舞台で近年になく存在感を高めている。セリエAがここ10年あまり続いてきた低迷期をようやく脱却し、復権に向けて確かな歩みを進めていることは間違いなさそうだ。

文●片野道郎

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