ところでネイマールといえば、『R7 Esportes』がCBFとアンチェロッティの交渉に彼が重要な役割を果たしたと伝え、「ロドリゲス会長が、アンチェロッティの代理人であるディエゴ・フェルナンデス氏と知り合ったのは、ネイマールの父ネイマール・ダ・シウバ・サントスを通じてだった。また、ジャーナリストのジョルジ・ニコラ氏によれば、アンチェロッティの代替候補とされていたジョルジェ・ジェズスの“拒否”にネイマールが影響を与えた」と綴っている。

　サウジアラビアのアル・ヒラルでコンディション不良を理由に自身をメンバーから外したポルトガル人指揮官に不快感を示したネイマールにとって、アンチェロッティは最良の選択だと複数の海外メディアが歓迎し、スポーツ専門放送局「beIN Sports」は「ネイマールを最高の状態に戻し、最後のW杯へ導ける人物がいるとすれば、それはアンチェロッティ以外にいないだろう」と主張した。

　年間1000万ユーロ（約16億円）、W杯優勝の場合はボーナスとして500万ユーロ（約８億円）を得るというアンチェロッティからの恩恵を受けるのは「ブラジルの至宝」だけでなく、セレソンにとっても復権の鍵を握る存在になるとの見解を示したのは、スポーツ専門チャンネル『ESPN』だ。
  「ブラジルは今、深刻な状況からの盛り返しを必要としている。だからこそ、100年の歴史を断ち切り、国内の豊富な才能と蓄積された経験を外国人に託すという大胆な決断が下されたのだ。（ブラジルの全人口である）２億1110万人の中には、W杯で優勝する姿を一度も見たことのない人々が相当数いる。その状況を変えなければならない」

「一方、外国人監督が海を越え、独特で複雑なブラジル・サッカーの世界に飛び込み、来夏にセレソンを史上最多の６度目のW杯優勝に導く？　そんなこと、これまで一度も起きたことはない。そして、もしそれを成し遂げられる監督がいるとしたら、それはアンチェロッティしかいない」

　５月26日にエクアドル戦、パラグアイ戦（６月10日）に向けての代表メンバーを発表するということだが、この初仕事からイタリア人指揮官がいかなる仕事ぶりを見せ、それによってセレソンにいかなる変化がもたらされるか、非常に興味深いものである。

構成●THE DIGEST編集部

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