バルセロナとレアル・マドリーは、今シーズンここまでラ・リーガ(11節/4-0)、スーペルコパ・デ・エスパーニャ(決勝/5-2)、コパ・デル・レイ(決勝/3-2)の3つのコンペティションで顔を合わせ、バルセロナの3戦3勝。マドリディスタにとっては屈辱的な結果となっている。そして今夜、4度目のエル・クラシコが行なわれる(ラ・リーガ35節)。
【動画】町野がドッペルパックで決勝点!
マドリーでは、宿敵との大一番を前に、期待の星としてアルダ・ギュレルが注目されている。先月マドリーは、チャンピオンズリーグ(CL)とコパ・デル・レイを制覇する夢が立て続けに絶たれた。その頃から現地メディアで盛んに取り沙汰されているのが、ロドリゴの売却話、そしてそのロドリゴとキリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオールを前線に並べる4-3-3を攻守のバランスを崩すことなく機能させることの難しさだ。限界説と言ってもいい。
そんな中、インサイドハーフのように機能するギュレルが台頭しているのは示唆的だ。フリージャーナリストのサンティアゴ・セグロラ氏も、「ギュレルは右サイドのポジション争いで、ずっとロドリゴとブラヒム(ディアス)に次ぐ三番手の位置づけだった。3人の中では最もウイング色が弱い選手だ。そもそも彼はウイングではない」と評価するように、ロドリゴと同じ右サイドで起用された場合でも、頻繁に内側のレーンにポジションを取ってゲームメイクやチャンスメイクを担う。得点力の高さもギュレルの魅力で、目下リーグ戦2試合連続ゴール中だ。もちろんアシスト役にもなれる。
マドリーのもう1つの注目点がカルロ・アンチェロッティ監督のゲームプランだ。イタリア人指揮官らしく引いて守ってカウンターでチャンスをモノにする戦い方も得意とするが、前線の守備が機能していない今シーズンのマドリーは、ラインが間延びしてなかなかボールを奪えず、攻められっぱなしになる危険性があり、実際、過去のクラシコでもそうした構図が見られた。そのため、マドリーは積極的にプレスにいくべきとの声が多い。『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏も、「バルサは相手を従属させる。リスペクトをし過ぎることは返ってバルサの術中にはまることになる。マドリーはアグレッシブに行くべきだ」と主張する。
日程面での優位性も「その説」を後押しする。コパの決勝から2週間で4戦目のバルサに対し、マドリーがその間、試合をしたのはセルタ戦のみだ。おまけにバルサは火曜日にインテルと、延長までもつれ込む死闘を演じた。休養が十分とは言えない上に、CL敗退のショックをいかに振り払えるかもポイントとなる。
バルサ愛の強いジャーナリストのジャウマ・マルセ氏は、「カレンダーはバルサに幸運をもたらした。(インテル戦で)厳しい打撃を受けた後、中位や下位のチームとの試合に臨むのは、緊張が途切れてしまいかねないという意味で危険だった。日曜日にマドリーと対戦することはバルサにとって恵みだ」と強がるが、CLの負け方も残酷だったし、ショックは完全には癒えていないはずだ。しかもバルサはクラシコの後に、敵地でのエスパニョール戦(36節)とアスレティック・ビルバオ戦(38節)という難しい試合を残している。
両者の勝点差は4で、クラシコも含めて4試合を残している。現地でも下馬評では「今季ラ・リーガを制するのはバルサ」との声が多い。しかし、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』にコラムを寄稿するアルベル・モンタギュ氏は、楽観的なバルセロニスタにこう警鐘を鳴らす。「マドリーはマドリーだ。バルサ相手に1シーズンに4連敗するプランは、彼らの頭の中にはない」
文●下村正幸
【動画】アルダ・ギュレル、ショートコーナーからゴラッソ! 35節セルタ戦ハイライト
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マドリーでは、宿敵との大一番を前に、期待の星としてアルダ・ギュレルが注目されている。先月マドリーは、チャンピオンズリーグ(CL)とコパ・デル・レイを制覇する夢が立て続けに絶たれた。その頃から現地メディアで盛んに取り沙汰されているのが、ロドリゴの売却話、そしてそのロドリゴとキリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオールを前線に並べる4-3-3を攻守のバランスを崩すことなく機能させることの難しさだ。限界説と言ってもいい。
そんな中、インサイドハーフのように機能するギュレルが台頭しているのは示唆的だ。フリージャーナリストのサンティアゴ・セグロラ氏も、「ギュレルは右サイドのポジション争いで、ずっとロドリゴとブラヒム(ディアス)に次ぐ三番手の位置づけだった。3人の中では最もウイング色が弱い選手だ。そもそも彼はウイングではない」と評価するように、ロドリゴと同じ右サイドで起用された場合でも、頻繁に内側のレーンにポジションを取ってゲームメイクやチャンスメイクを担う。得点力の高さもギュレルの魅力で、目下リーグ戦2試合連続ゴール中だ。もちろんアシスト役にもなれる。
マドリーのもう1つの注目点がカルロ・アンチェロッティ監督のゲームプランだ。イタリア人指揮官らしく引いて守ってカウンターでチャンスをモノにする戦い方も得意とするが、前線の守備が機能していない今シーズンのマドリーは、ラインが間延びしてなかなかボールを奪えず、攻められっぱなしになる危険性があり、実際、過去のクラシコでもそうした構図が見られた。そのため、マドリーは積極的にプレスにいくべきとの声が多い。『ラジオ・マルカ』の人気MC、ミゲル・キンターナ氏も、「バルサは相手を従属させる。リスペクトをし過ぎることは返ってバルサの術中にはまることになる。マドリーはアグレッシブに行くべきだ」と主張する。
日程面での優位性も「その説」を後押しする。コパの決勝から2週間で4戦目のバルサに対し、マドリーがその間、試合をしたのはセルタ戦のみだ。おまけにバルサは火曜日にインテルと、延長までもつれ込む死闘を演じた。休養が十分とは言えない上に、CL敗退のショックをいかに振り払えるかもポイントとなる。
バルサ愛の強いジャーナリストのジャウマ・マルセ氏は、「カレンダーはバルサに幸運をもたらした。(インテル戦で)厳しい打撃を受けた後、中位や下位のチームとの試合に臨むのは、緊張が途切れてしまいかねないという意味で危険だった。日曜日にマドリーと対戦することはバルサにとって恵みだ」と強がるが、CLの負け方も残酷だったし、ショックは完全には癒えていないはずだ。しかもバルサはクラシコの後に、敵地でのエスパニョール戦(36節)とアスレティック・ビルバオ戦(38節)という難しい試合を残している。
両者の勝点差は4で、クラシコも含めて4試合を残している。現地でも下馬評では「今季ラ・リーガを制するのはバルサ」との声が多い。しかし、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』にコラムを寄稿するアルベル・モンタギュ氏は、楽観的なバルセロニスタにこう警鐘を鳴らす。「マドリーはマドリーだ。バルサ相手に1シーズンに4連敗するプランは、彼らの頭の中にはない」
文●下村正幸
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