なお、浦和が先制したことに対しては「それはインテルにとって、自滅に近いものだった。渡邊のゴールはまるで“ホラー映画”のようであり、フェデリコ・ディマルコのパスミス、カルロス・アウグストの抜かれ方、そしてルイス・エンリケのカバー不足と、彼ら３人が主役となった失点劇だった」と、インテルの守備の問題を指摘している。

　一方、『Corriere dello Sport』は、前半を振り返って「ネラッズーリは攻撃の展開があまりに遅すぎ、日本チームは問題なくボールをコントロールできるため、ほとんどリスクはなかった」と綴り、「キブ監督率いるチームは予想以上に苦戦したものの、何とか勝利を奪った」と試合をレポートした。

　同国のサッカー専門サイト『Football Italia』も、「インテルは、試合を通じて常に主導権を握り続けたが、一方の浦和は、スター揃いの相手攻撃陣に対し、粘り強く守備で応戦し続けた」「インテルの攻撃の波に晒されながらも、見事な守備で応戦し、何とか耐え続けた」と、試合レポートの記事の中で、しばしば浦和の守備に賛辞を贈り、渡邊のゴールについては「浦和が試合最初の攻撃で試合を動かし、カウンターからエースが落ち着いてシュートを決めた」と伝えている。 　続いて英国では、日刊紙『The Guardian』が「流れに反して浦和が先制し、金子が右サイドから見事なドリブルでインテルの守備を切り裂き、２人をかわしてペナルティーエリア内に進入。折り返したクロスに渡邊が反応し、ダイレクトのインサイドキックでシュート。これがDFに当たってコースが変わり、GKヤン・ゾマーの逆を突いて右下隅に決まった」とレポートを綴った。

　スペインのスポーツ紙『MARCA』は、３点満点の採点でグスタフソン、金子、渡邊に「２」の高評価（その他の選手は「１」）。また、「この日のインテルは、まるで攻撃の無力さをさらけ出すような展開だった。浦和は自陣でがっちりと守備を構え、そのプランはスコルジャ監督の狙い通りに機能していた。浦和は激しく、しぶとく、ほとんど隙を見せず、スペースを消しながら、“生き残り”を賭けたサバイバル戦を繰り広げていた」と、やはり守備面についてはポジティブな記述となっている。

　最後にドイツのスポーツ紙『kicker』も、「レッズのコンパクトな守備はインテルの攻撃力と創造性を徐々に失わせた」と称賛し、また浦和のゴールを報じる上では、「試合はインテルにとって冷や水を浴びせられる展開となり、日本チームが最初の攻撃で、金子が右サイドでC・アウグストをかわし、エリア内でパス。元インゴルシュタットの渡邊は、このチャンスを逃さなかった」と綴った。

構成●THE DIGEST編集部

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