カソルラにもまた、選手として最大の試練が訪れる。2016年、右足アキレス腱を負傷。さらに感染症を併発し、『エル・パイス』紙によれば、復帰までに実に14回もの手術を受けたという。兄のフェルナンド氏は当時の壮絶さをこう語る。
「もう狂気の沙汰だったよ。ピパス(ひまわりの種)を買いに行くかのように、何度も何度も手術室を行き来していた。フットボール選手ではなく、交通事故から生還した人のようだった。腕から脚に皮膚を移植する手術が成功してなんとか助かったが、他の選手なら、4回目、5回目の手術で諦めていただろう。ましてや、彼はEUROで2度の優勝を経験している。私は弟に『もうこれ以上何を証明する必要があるんだ。一番重要なのは健康だ』と繰り返し説得したが、聞く耳を持たなかった。復帰するまで決して諦めることはなかった」
決して燃え尽きることのないサッカーへの情熱が、カソルラを突き動かし続けた。そして2023年、彼は20年ぶりにオビエドへの復帰を決断する。それから2年が経ち、迎えた今夏の1部昇格プレーオフ決勝第2レグのミランデス戦の前に、カソルラはこう語った。
「これは僕のキャリアで最も重要な試合であり、最も特別な試合だ。これまでたくさんの経験をさせてもらったけど、クラブに対する僕の思いが、この試合を唯一無二なものにしている」
現地時間6月21日、延長までもつれ込み、合計スコア3-2で制したその試合でカソルラは、前半39分に貴重なPKを沈め、チームを1部昇格へと導いた。
2023年6月に結んだ契約は2年。この6月で満了を迎える。現在40歳。トレードマークの笑顔とともに1部昇格請負人となった小兵のベテランとオビエドの美しい物語が1部でも続くことを、ファンの誰もが願っている。
文●下村正幸
【動画】オビエド昇格決定の瞬間! チームメイトやファンと喜びを分かち合うカソルラ
「もう狂気の沙汰だったよ。ピパス(ひまわりの種)を買いに行くかのように、何度も何度も手術室を行き来していた。フットボール選手ではなく、交通事故から生還した人のようだった。腕から脚に皮膚を移植する手術が成功してなんとか助かったが、他の選手なら、4回目、5回目の手術で諦めていただろう。ましてや、彼はEUROで2度の優勝を経験している。私は弟に『もうこれ以上何を証明する必要があるんだ。一番重要なのは健康だ』と繰り返し説得したが、聞く耳を持たなかった。復帰するまで決して諦めることはなかった」
決して燃え尽きることのないサッカーへの情熱が、カソルラを突き動かし続けた。そして2023年、彼は20年ぶりにオビエドへの復帰を決断する。それから2年が経ち、迎えた今夏の1部昇格プレーオフ決勝第2レグのミランデス戦の前に、カソルラはこう語った。
「これは僕のキャリアで最も重要な試合であり、最も特別な試合だ。これまでたくさんの経験をさせてもらったけど、クラブに対する僕の思いが、この試合を唯一無二なものにしている」
現地時間6月21日、延長までもつれ込み、合計スコア3-2で制したその試合でカソルラは、前半39分に貴重なPKを沈め、チームを1部昇格へと導いた。
2023年6月に結んだ契約は2年。この6月で満了を迎える。現在40歳。トレードマークの笑顔とともに1部昇格請負人となった小兵のベテランとオビエドの美しい物語が1部でも続くことを、ファンの誰もが願っている。
文●下村正幸
【動画】オビエド昇格決定の瞬間! チームメイトやファンと喜びを分かち合うカソルラ
関連記事
- 「彼のやることは全て常識外れ」 マイアミを次ラウンドに導いたメッシにスペイン紙が最大級の賛辞! 因縁の古巣との対決に向けて仏紙は「状況は有利と言えない」
- 疲労、過密日程、暑さが原因!? クラブW杯で劣勢の欧州勢にブラジル側は「ただの言い訳」と一刀両断! 大会軽視の姿勢についても「傲慢さ」を指摘
- 21歳新星ゴンサロ・ガルシアが1G・1Aの大活躍、ギュレル&ハイセンも評価上昇! シャビ・アロンソ新体制下でマドリーに“若返り”の追い風吹く
- 「移籍に関しては常に計画性がある」 ブライトンは的確かつ迅速な補強を早くも完了と英紙! 今夏の三笘薫は「適正価格のオファーあれば放出」
- 浦和レッズが異国で示した“お辞儀” サポーターの変わらぬクラブ愛に伊メディア感服「ファンへの敬意、彼らは謝罪と感謝を...」【クラブW杯】