専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

【雑草プロの世界転戦記34】トレーニング環境が充実のヨーロッパ。ただし日本に比べて費用はかなり高額に…<SMASH>

市川誠一郎

2025.08.16

トレーニングへの意識が高い海外では、アカデミーや、大会を頻繁に開催する会場に充実したジムが併設されていることが多い(写真はチュニジアの大会会場)。写真提供:市川誠一郎

トレーニングへの意識が高い海外では、アカデミーや、大会を頻繁に開催する会場に充実したジムが併設されていることが多い(写真はチュニジアの大会会場)。写真提供:市川誠一郎

 25歳でテニスを始め、32歳でプロになった市川誠一郎選手は、夢を追って海外のITF(国際テニス連盟)大会に挑み続ける。雑草プレーヤーが知られざる下部ツアーの実情や、ヨーロッパのテニス環境を綴る転戦記。

―――◆―――◆―――

 ヨーロッパと日本では、指導法やテニスの考え方にどんな違いがあるのか? 前回は、日本のジュニアがトレーニングをやりたがらない、あるいは嫌々やらされているという現状について述べました。

 海外のジュニアたちは、トレーニングが習慣化していたり、重要性を理解している場合が多く、トレーニングを嫌う選手が少ないと感じます。

 近年、特にテニスはよりスピードとパワーが求められ、アスレチックでフィジカルな競技になってきています。こうした流れについていくためにも、ジュニア期からトレーニングを習慣化することはとても重要です。

 日本のアカデミーやスクールがトレーニング時間を確保できない理由の1つとしては、そもそもジムやトレーニングできるスペースを併設している場所がほとんどないことがあります。また、日本のジュニアレッスンは学校の後、夕方から行なうのが一般的なため、そもそも時間が足りないこともあると思います。
 
 それに対して、海外のテニスアカデミーはジュニアでも通信制の学校で学ぶことを前提としており、プロ同様に午前・午後の練習が基本になっているため、トレーニング時間もしっかり確保できています。海外と日本のアカデミーは基本的なやり方が違うわけです。

 そうした理由もあり、海外のテニスアカデミーは日本より遥かに高額です。ヨーロッパのアカデミーであれば、近年だと相当安いところでも月20万円以上、高ければ50万円かかるアカデミーもあります。

 対照的に日本のアカデミーは月5万円程度から、午前・午後練習するかなり高いところでも、月10万円以上することは多くないと思います。

 海外から戻ると、毎回日本の練習環境の安さを感じます。日本にいる方にとってはそれでもすごく高いと感じると思いますが、日本のアカデミーはとてもリーズナブルなのです。

文●市川誠一郎

〈PROFILE〉
1984年生まれ。開成高、東大を卒業後ゼロからテニスを始め、32歳でプロ活動開始。36歳からヨーロッパに移り、各地を放浪しながらITFツアーに挑んでいる。2023年5月、初のATPポイントをダブルスで獲得。Amebaトップブロガー「夢中に生きる」配信中。ケイズハウス/HCA法律事務所所属。

【画像】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのテニスアカデミーでの日常風景

【画像】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパ各国の下部ツアーの風景

【画像】雑草プロの世界転戦記・ヨーロッパのジュニア大会情景集
 

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    8月8日(金)発売!

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    8月7日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • dunkshot

    7月25日(金)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    7月24日(木)発売

    定価:1100円 (税込)