今月上旬の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・トロント)でマスターズ初優勝を果たし、キャリアハイの世界ランキング6位につけるベン・シェルトン(アメリカ)。この伸び盛りの22歳が、自身の競技人生を語る上で欠かせない「決断」を明かした。それは2年前、スマートフォンからあるアプリを削除したことだ。
「いい選択をできていると思う。2年前にツイッター(現X)をスマホから削除したんだけど、それが人生で最高の決断だった。あれから2年、一度もそのSNSを見たことがないんだ」
コート外の喧騒を断ち切った効果は明らかだ。2シーズン前には、本戦初出場の全豪でベスト8、全米では準決勝まで進出し、10月の「ジャパン・オープン」でツアー初タイトルを獲得。昨シーズンは四大大会のすべてで3回戦以上に進出し、4月にはツアー2勝目を挙げるなど安定した好成績を残した。
そして今季、シェルトンはキャリア最大の快進撃を見せている。全豪でベスト4,全仏で4回戦、ウインブルドンでベスト8と、いずれも自己最高成績。さらに冒頭で紹介したとおり、「ナショナルバンク・オープン」ではカレン・ハチャノフ(ロシア/当時16位)を決勝で下し、初めてマスターズタイトルを獲得。続く「シンシナティ・オープン」でもベスト8に進出したのだ。
"X断ち"は、もちろん試合に集中するため。情報の取り込み方にこだわっている。
「自分は特定の試合のハイライトを見るのが好きだ。いまは出場している大会や、その週に行なわれているチャレンジャー大会など、以前よく見ていた試合の映像を多く見ている。自分には地に足をつけさせてくれるチームがいて、頭がナンセンスでいっぱいになることを決して許さない」
SNSの雑音に惑わされず、必要な映像とチームからの助言に集中する姿勢は、22歳の若者らしからぬ落ち着きを感じさせる。シンシナティの準々決勝(対アレクサンダー・ズベレフ)を前にした会見では、かつてない充実感を口にしていた。
「この試合を戦うのが楽しみだ。コート上でとても快適に感じている。競技でこれほどの感覚を得たのは初めて。ゲームだけでなく、普段は少し緊張するサーブやリターンでも、逆に安心できている。次の試合に向け、まさに望んでいた状態にあるんだ。目指しているのはトップ10、そしてトップ5と対戦すること。そうした試合を重ねるほど、彼らのレベルに近づける。これは自分にとって非常に重要な目標なんだ」
ズベレフには敗れたものの、彼の成長曲線は言葉通り右肩上がり。迎える「全米オープン」でも自己最高成績(2023年ベスト4)を上回ることはできるだろうか。
構成●スマッシュ編集部
【動画】シェルトンが初優勝を飾った「ナショナルバンク・オープン」決勝ハイライト
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「いい選択をできていると思う。2年前にツイッター(現X)をスマホから削除したんだけど、それが人生で最高の決断だった。あれから2年、一度もそのSNSを見たことがないんだ」
コート外の喧騒を断ち切った効果は明らかだ。2シーズン前には、本戦初出場の全豪でベスト8、全米では準決勝まで進出し、10月の「ジャパン・オープン」でツアー初タイトルを獲得。昨シーズンは四大大会のすべてで3回戦以上に進出し、4月にはツアー2勝目を挙げるなど安定した好成績を残した。
そして今季、シェルトンはキャリア最大の快進撃を見せている。全豪でベスト4,全仏で4回戦、ウインブルドンでベスト8と、いずれも自己最高成績。さらに冒頭で紹介したとおり、「ナショナルバンク・オープン」ではカレン・ハチャノフ(ロシア/当時16位)を決勝で下し、初めてマスターズタイトルを獲得。続く「シンシナティ・オープン」でもベスト8に進出したのだ。
"X断ち"は、もちろん試合に集中するため。情報の取り込み方にこだわっている。
「自分は特定の試合のハイライトを見るのが好きだ。いまは出場している大会や、その週に行なわれているチャレンジャー大会など、以前よく見ていた試合の映像を多く見ている。自分には地に足をつけさせてくれるチームがいて、頭がナンセンスでいっぱいになることを決して許さない」
SNSの雑音に惑わされず、必要な映像とチームからの助言に集中する姿勢は、22歳の若者らしからぬ落ち着きを感じさせる。シンシナティの準々決勝(対アレクサンダー・ズベレフ)を前にした会見では、かつてない充実感を口にしていた。
「この試合を戦うのが楽しみだ。コート上でとても快適に感じている。競技でこれほどの感覚を得たのは初めて。ゲームだけでなく、普段は少し緊張するサーブやリターンでも、逆に安心できている。次の試合に向け、まさに望んでいた状態にあるんだ。目指しているのはトップ10、そしてトップ5と対戦すること。そうした試合を重ねるほど、彼らのレベルに近づける。これは自分にとって非常に重要な目標なんだ」
ズベレフには敗れたものの、彼の成長曲線は言葉通り右肩上がり。迎える「全米オープン」でも自己最高成績(2023年ベスト4)を上回ることはできるだろうか。
構成●スマッシュ編集部
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