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新方式の全米オープン混合複で連覇を果たしたエラーニ/ババッソーリ「これは出られなかったダブルス選手のためでもある」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.08.22

新フォーマットで行なわれた全米混合ダブルスで頂点に立ったババッソーリ(左)とエラーニ(右)のイタリアペア。緻密な連携と経験でダブルスプレーヤーとしての強さを証明してみせた。(C)Getty Images

 大会史上初の試みとして、世界トップのシングルス選手が数多く参戦した今年のテニス四大大会「全米オープン」混合ダブルス。まったく新しいフォーマットで16組の頂点に立ったのは、経験豊富なダブルススペシャリストだった。38歳のサラ・エラーニと30歳のアンドレア・ババッソーリのイタリア・コンビが、イガ・シフィオンテク(ポーランド)/キャスパー・ルード(ノルウェー)との決勝を6-3、5-7、[10-6]で制し、大会2連覇を達成。賞金100万ドル(約1億4700万円)を手にした。

 決勝だけ通常の6ゲーム制3セットマッチ(他ラウンドは4ゲーム制)で行なわれ、序盤から白熱。第2セット5-4でババッソーリがサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えるもブレークされ、流れは一時シフィオンテク/ルードに傾いた。しかし迎えたマッチタイブレークで、イタリア組は最初の4ポイントを連取。最後はババッソーリのパッシングショットで締め、勝利をもぎ取った。

 四大大会のダブルスで6度目の決勝を戦ったババッソーリはこう語っている。

「パートナーに感謝を伝えたい。僕たちはこの2年間で素晴らしいことを成し遂げている。君と一緒にプレーできるなんて信じられない。ありがとう」

 昨年の全米、今年の全仏を共に勝ち取ったエラーニも応じた。

「アンドレア、あなたは本当に強くて、素晴らしい選手。あなたと一緒にプレーするのは私にとって大きな喜びで、常に特別な経験。私たちは忘れられない瞬間を共有している。だからあなたと一緒にそれを分かち合えて本当に幸せ」
 
 さらに2人は、他のプレーヤーへの思いも隠さなかった。今大会ではエントリー基準がシングルスランキングのみに変更され、ダブルススペシャリストは出場機会を失った。

「これは、大会に出られなかった全てのダブルス選手のためのものでもあると思う」(エラーニ)

「僕らは今日、ダブルスが素晴らしいスポーツであることを示せたと思う」(ババッソーリ)

 混合ダブルスは、開催日程や出場条件、試合形式が大幅に変更され、多くのダブルススペシャリストから反発の声が上がっていた。エラーニとババッソーリもその1人。そんな中での優勝は、ネット際での存在感と緻密な連携によって混合ダブルスの面白さを示した勝利でもある。

 敗れたシフィオンテクも惜しみない賛辞を送った。

「サラとアンドレア、おめでとう。本当にふさわしい勝利だった。混合ダブルスの選手はシングルスの選手よりも戦術的に優れているということを、証明してみせたと思う」

構成●スマッシュ編集部

【動画】エラーニ/ババッソーリVSシフィオンテク/ルードの「全米オープン」混合ダブルス決勝ハイライト

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