現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」で試合後に繰り広げられた激しい“舌戦”が物議を醸している。
事件が起こったのは現地8月27日に行なわれたエレナ・オスタペンコ(ラトビア/世界ランキング26位)とテイラー・タウンゼント(アメリカ/同139位)による女子シングルス2回戦でのこと。この試合に5-7、1-6で敗れたオスタペンコが、試合後に握手を交わした勝者のタウンゼントに突如「品格も教養もない!」と噛みついたのだ。
タウンゼントもこれに応戦し、観客からブーイングが起こる事態にも発展。口論を経てコートを後にしたオスタペンコは、直後に自身のインスタグラムのストーリーズを更新し、事の顛末を説明した。
それによるとオスタペンコはタウンゼントのショットがネットに当たって自陣コートに落ちた際、タウンゼントが謝る仕草をしなかったことが気に入らず、握手時にそれを指摘したところ、「『謝る必要なんてない』と返された」とのこと。さらに試合開始直前のウォーミングアップでも通常はベースライン上での軽い打ち合いから始まるところ、タウンゼントは「いきなりネット前でヒッティングを開始」し、それも癪に障ったと明かしている。
同投稿でオスタペンコは人種差別的な意味合いは全くないと断言しつつ、タウンゼントを次のように強く批判した。
「彼女は非常に無礼で、テニスのルールに反していた。テニスには選手が(暗黙の了解で)守っているルールが存在するけど、ツアーであんなことが起こったのは初めてだった。母国でプレーしているからといって好き勝手に振る舞い、やりたい放題していいわけではない。今、私の元には『人種差別主義者だ』というメッセージが大量に届いているけど、私は1度も人種差別をしたことはないし、出身地などは関係なく全ての国の人々をリスペクトしている」
一方のタウンゼントは試合後の記者会見で上記のオスタペンコの投稿について、余裕を見せながらこう反論した。
「人はお互いに悪口を言ったり、怒ったりもする。人それぞれ感じ方は違うけど、自分の考えを他人に押しつけるのはダメ。その人が謝ることを期待していて、それがなくて怒ったとしたら、それは相手の責任ではなく自分の問題だと思う。ネットインの場面は(ミスをしたと思って)次のポイントの準備をしていたから、自分のポイントになったと知った時は驚いたけど、あの時彼女はネット付近に立って『不運な形でポイントを落としたけど、まあいいか』みたいな態度を見せていた」
「彼女とはこれまでに何度も対戦している。彼女が私のウォーミングアップのやり方に文句を言うならそれで構わないけど、私自身はいつも同じことをやってきた。プロとして初めての試合をした時からそうだし、ジュニア時代からの習慣でもある。決して彼女を動揺させるためにやったのではなく、ただ自分のやり方をしていただけのこと。だから私は今回の出来事をおかしく思っているし、かなり滑稽だったとも思っている。残念な結末ではあったけど『TikTok』のネタにでもしようと思うわ(笑)」
何とも後味の悪い終わり方となった両者の対決。今後の対戦にも尾を引きそうだ。
文●中村光佑
【画像】タウンゼントほか、2025全米オープンを戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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タウンゼントもこれに応戦し、観客からブーイングが起こる事態にも発展。口論を経てコートを後にしたオスタペンコは、直後に自身のインスタグラムのストーリーズを更新し、事の顛末を説明した。
それによるとオスタペンコはタウンゼントのショットがネットに当たって自陣コートに落ちた際、タウンゼントが謝る仕草をしなかったことが気に入らず、握手時にそれを指摘したところ、「『謝る必要なんてない』と返された」とのこと。さらに試合開始直前のウォーミングアップでも通常はベースライン上での軽い打ち合いから始まるところ、タウンゼントは「いきなりネット前でヒッティングを開始」し、それも癪に障ったと明かしている。
同投稿でオスタペンコは人種差別的な意味合いは全くないと断言しつつ、タウンゼントを次のように強く批判した。
「彼女は非常に無礼で、テニスのルールに反していた。テニスには選手が(暗黙の了解で)守っているルールが存在するけど、ツアーであんなことが起こったのは初めてだった。母国でプレーしているからといって好き勝手に振る舞い、やりたい放題していいわけではない。今、私の元には『人種差別主義者だ』というメッセージが大量に届いているけど、私は1度も人種差別をしたことはないし、出身地などは関係なく全ての国の人々をリスペクトしている」
一方のタウンゼントは試合後の記者会見で上記のオスタペンコの投稿について、余裕を見せながらこう反論した。
「人はお互いに悪口を言ったり、怒ったりもする。人それぞれ感じ方は違うけど、自分の考えを他人に押しつけるのはダメ。その人が謝ることを期待していて、それがなくて怒ったとしたら、それは相手の責任ではなく自分の問題だと思う。ネットインの場面は(ミスをしたと思って)次のポイントの準備をしていたから、自分のポイントになったと知った時は驚いたけど、あの時彼女はネット付近に立って『不運な形でポイントを落としたけど、まあいいか』みたいな態度を見せていた」
「彼女とはこれまでに何度も対戦している。彼女が私のウォーミングアップのやり方に文句を言うならそれで構わないけど、私自身はいつも同じことをやってきた。プロとして初めての試合をした時からそうだし、ジュニア時代からの習慣でもある。決して彼女を動揺させるためにやったのではなく、ただ自分のやり方をしていただけのこと。だから私は今回の出来事をおかしく思っているし、かなり滑稽だったとも思っている。残念な結末ではあったけど『TikTok』のネタにでもしようと思うわ(笑)」
何とも後味の悪い終わり方となった両者の対決。今後の対戦にも尾を引きそうだ。
文●中村光佑
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