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アルカラスのサービスを酷評していた元王者ロディックが一転、大絶賛へ!「格段に良くなった。強力かつ効果的」<SMASH>

中村光佑

2025.09.14

見違えるほど強力なサービスで全米オープンを制したアルカラス(左)に対し、元王者ロディック(右)は過去の評価を一変させた。(C)Getty Images

 先日行なわれた「全米オープンテニス」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の男子シングルス決勝でライバルのヤニック・シナー(イタリア/大会時世界ランキング1位/現2位)を破って四大大会6勝目を飾り、世界ランキングでもシナーを抜いて2023年8月以来約2年ぶりとなる1位返り咲きを果たした22歳のカルロス・アルカラス(スペイン)。身長183センチとツアー内では小柄な部類の彼は、どちらかと言えば豪快なフォアハンドをはじめとしたストロークのイメージが強いが、ここ最近は課題だったサービスも成長が著しい。

 全米でもそれは如実に表れた。大会を通じて101度のサービスゲームのうち、ブレークを許したのはわずか3度。さらには失セット数もシナー戦での1のみと、驚異的な安定感で頂点に駆け上がった。

 これには03年の全米で四大大会初優勝を経験した元世界王者のアンディ・ロディック氏(アメリカ/43歳)も舌を巻いた。実は同氏は以前、アルカラスのサービスを「下手」と評し、「あれでは上には行けない」とまで言い放っていたが、今回のニューヨークでの22歳の戦いぶりを見て、考えを大きく改めたようだ。

 ロディック氏は先日出演した自身のテニス系ポッドキャスト『Served with Andy Roddick』で、「何よりもアルカラスのサービスは過去と比べて格段に良くなった。中でもファーストサービスはますます強力かつ効果的になっていて、相手選手にとっては全く楽しくないはずだ」とコメント。その上でアルカラスの全米決勝でのプレーをこう評した。
 
「アルカラスはあらゆるボールに食らいついていた。彼のスライスの打ち方は今や少しフェデラー(スイス/元1位)っぽさも感じさせる。おそらく彼はウインブルドン4回戦のシナー対ディミトロフ(ブルガリア/元3位/現28位)戦を参考にしたんじゃないかな。全米決勝でアルカラスは、ディミトロフがシナーに2セットアップして棄権するまでのプレーを何度も使っていた」

 さらにロディック氏はアルカラスの最近のパフォーマンスについて、シナーという良きライバルの存在に刺激を受け、あらゆる面で洗練されているとの称賛の言葉も送っている。

「アルカラスのラケットワークは大きく変わった。事実彼は18年のツアーデビュー以来、絶えず進化してきた。きっと65週間にわたり世界1位を維持したシナーというライバルの存在も、彼を突き動かしたのだろう。フォアハンド、バックハンド、サービス、ボレー、リターンと、彼はあらゆるショットを磨き上げてきた。今はメンタルの強さと安定感もある上に、人からは見えない部分も成長していると感じるし、その全てが試合の流れを良くしているのだと思う」

 まだ20代前半にしてレジェンドにここまで言わしめるアルカラスは、いったいどこまで進化を続けるのだろうか。今後もさらなる飛躍を期待したい。

文●中村光佑

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