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海外テニス

ダブルスも敗れデ杯ファイナル進出を逃した日本。綿貫/柚木が痛感したドイツとの「経験の差」<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2025.09.14

綿貫陽介/柚木武は世界上位のプッツ/クラビーツに善戦するも、勝負どころで突き放され、日本の予選2回戦敗退が決まった。写真:滝川敏之

綿貫陽介/柚木武は世界上位のプッツ/クラビーツに善戦するも、勝負どころで突き放され、日本の予選2回戦敗退が決まった。写真:滝川敏之

 男子テニスの国別対抗戦「2025デビスカップ(デ杯)・ファイナル予選2回戦」の日本対ドイツ戦は9月13日に東京・有明コロシアム(室内ハードコート)で2日目の試合を実施。初日に2連敗して追い詰められた日本は、ダブルスの綿貫陽介(複世界ランク897位)/柚木武(複114位)に期待をかけたが、世界屈指の強豪ペア、ケビン・クラビーツ(複12位)/ティム・プッツ(複13位)に3-6、6-7(4)で敗れ、チームの敗退が決まった。

 デ杯は“テニスのワールドカップ”と称される団体戦で、今回のファイナル予選2回戦は11月の最終決戦「ファイナル8」(イタリア・ボローニャ)の切符を懸けた大一番だ。試合は初日にシングルス2試合(両国のNo.1対No.2)、2日目にダブルス1試合とシングルス2試合(No.1同士、No.2同士)を行ない、先に3勝した国が勝ちとなる。

 綿貫/柚木はランキングの差を埋める善戦を演じた。特に綿貫の鋭いリターンと伸びのあるストロークは相手ペアを押し込み、多くのミスを引き出した。また、柚木も1stサービスが入れば世界レベルの破壊力で主導権を握れたが、逆に2ndサービスになると厳しいリターンを見舞われ、キープに苦しんだ。

 第1セットは柚木が2つサービスダウン。第4ゲームをダブルフォールト絡みで失い、第8ゲームはラブゲームで落とした。また第2セットではプッツのサービスを破って4-2としたところで、再び柚木がダブルフォールトからブレークバックされ、流れを手放す。

「ブレークした場面でキープできず、不甲斐ない」と柚木は悔いたが、彼1人の責任ではない。綿貫も柚木のサービスゲームを通じて「僕がネットでプレッシャーをかけられず、相手に気持ち良くリターンさせてしまった」と反省する。
 
 対するドイツペアはさすがにハイレベルなダブルスを展開した。何か飛び抜けたスーパーショットがあるわけではない。1本1本のショットの精度、相手の配球を読んだポジショニングと動き、コートを広く使ったコース選択、そういったものの平均値が総じて高いのだ。「どんな場面でも、ダブルスの(上位)選手はいい意味でいつも通りやる」と柚木は相手の強さを表現する。そうしたプレーの積み重ねが3つのブレークにつながった。

 それでも日本ペアはリターンゲームで健闘を見せた。綿貫の鋭いリターンと対を成すように、柚木は柔らかいロブリターンを多用したが、これは2人で考えた役割分担だ。柚木は「僕もいつもは激しくリターンを打つが、ミス関係なく思い切り打つのが2人とも重なるとリズムを作れない。僕はロブとかを使ってネットを越すことを意識した」と明かす。

 綿貫と柚木の硬軟をミックスさせた結果、第1セットではクラビーツのサービスを、第2セットではプッツのサービスを1度ずつブレークすることに成功。クラビーツは日本ペアのどこに苦戦したかを聞かれ、「(自分たちの)サービスゲームが簡単ではなかった。左利きの選手(柚木)はチップロブが上手で、綿貫はフォアハンドが優れていた」と認める。
 
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