日本テニス協会は「木下グループジャパンオープンテニス2025」の女子大会(10月13日~ 19日/大阪・靭テニスセンター/WTA250)に出場予定だった世界ランキング84位の伊藤あおいが、ケガにより欠場すると発表した。現在21歳の期待の新鋭は、昨年この大会でツアー初出場ながらベスト4へと駆け上がり、独特のプレースタイルと個性的なキャラクターで一躍脚光を浴びた。
大阪での奮闘は今なお鮮烈だ。予選から勝ち上がった伊藤は、1回戦で元世界4位のソフィア・ケニン(アメリカ)をフルセットで撃破。さらに第8シードで大会時50位だったエリザベッタ・コッチャレット(イタリア)を倒し、エバ・リス(ドイツ)に逆転勝利を収めてベスト4へ進出した。
キンバリー・ビレル(オーストラリア/現85位)との準決勝では、「風下の時に、ものすごい弱さを発揮しますので」と会場の強風に翻弄され、ついに伊藤の快進撃は止まった。それでも、「私でも6試合連続でできるんだなっていう自信にもつながります」と連戦の疲労や発熱を乗り越え、大きな手応えをつかんだ。
その後のキャリアは、期待に違わぬ軌跡を描いた。特筆すべきは今夏の北米シリーズだ。「ナショナルバンク・オープン」(モントリオール/WTA1000)で予選を勝ち上がると、2回戦でトップ10のジャスミン・パオリーニ(イタリア/大会時9位)を破り3回戦進出。続く「シンシナティ・オープン」でも予選を突破し、元世界11位のアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア/同33位)を撃破して再び3回戦へと進んだ。
第6シードのマディソン・キーズ(アメリカ/同6位)に挑み、4-6、0-6で敗れはしたものの、休む間もなく臨んだ2大会連続の好成績。8月18日付のランキングではキャリアハイの82位をマークし、大坂なおみに次ぐ日本勢2番手の位置に浮上した。
彼女が自称する「へにょへにょテニス」は、予測不能なスライスやループを自在に操る特異なスタイル。大阪でのブレークから、北米シリーズで格上を打ち破るまでの過程で進化を証明するとともに、その唯一無二の魅力ですでに世界中のテニスファンを惹きつけている。
ただ、戦いの舞台が一気に世界の最高峰に上がったこともあり、身体への負担も大きいのだろう。先日の全米オープンでは腰を痛めて全力でのプレーができず、予選決勝で敗れることとなった。
今回のジャパンOP欠場は残念だが、確実に実力を積み重ねてきた伊藤あおいの旅路はまだ始まったばかり。ケガを乗り越え、再び舞台に戻るその日を誰もが待ち望んでいる。
構成●スマッシュ編集部
【連続写真】伸びて滑る伊藤あおいのフォアハンドスライス『30コマの超分解写真』
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キンバリー・ビレル(オーストラリア/現85位)との準決勝では、「風下の時に、ものすごい弱さを発揮しますので」と会場の強風に翻弄され、ついに伊藤の快進撃は止まった。それでも、「私でも6試合連続でできるんだなっていう自信にもつながります」と連戦の疲労や発熱を乗り越え、大きな手応えをつかんだ。
その後のキャリアは、期待に違わぬ軌跡を描いた。特筆すべきは今夏の北米シリーズだ。「ナショナルバンク・オープン」(モントリオール/WTA1000)で予選を勝ち上がると、2回戦でトップ10のジャスミン・パオリーニ(イタリア/大会時9位)を破り3回戦進出。続く「シンシナティ・オープン」でも予選を突破し、元世界11位のアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア/同33位)を撃破して再び3回戦へと進んだ。
第6シードのマディソン・キーズ(アメリカ/同6位)に挑み、4-6、0-6で敗れはしたものの、休む間もなく臨んだ2大会連続の好成績。8月18日付のランキングではキャリアハイの82位をマークし、大坂なおみに次ぐ日本勢2番手の位置に浮上した。
彼女が自称する「へにょへにょテニス」は、予測不能なスライスやループを自在に操る特異なスタイル。大阪でのブレークから、北米シリーズで格上を打ち破るまでの過程で進化を証明するとともに、その唯一無二の魅力ですでに世界中のテニスファンを惹きつけている。
ただ、戦いの舞台が一気に世界の最高峰に上がったこともあり、身体への負担も大きいのだろう。先日の全米オープンでは腰を痛めて全力でのプレーができず、予選決勝で敗れることとなった。
今回のジャパンOP欠場は残念だが、確実に実力を積み重ねてきた伊藤あおいの旅路はまだ始まったばかり。ケガを乗り越え、再び舞台に戻るその日を誰もが待ち望んでいる。
構成●スマッシュ編集部
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