連日熱戦が繰り広げられている男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月1日~12日/中国・上海/ハードコート)。前回王者である第2シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング2位)は、現地5日夜に行なわれたシングルス3回戦で第27シードのタロン・フリークスポール(オランダ/同31位)と対戦したが、ファイナルセットの中盤で途中棄権を余儀なくされ、タイトル防衛を逃すこととなった。
ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによると、シナーのリタイアの理由は「右太もものケイレン」とされており、酷暑と高湿度による厳しいコンディションの中、7-6(3)、5-7、2-3となったところでプレーを続けられなくなった。
シナーは第2セット終盤から身体的不調に見舞われ、ファイナルセットではポイント間で足を引きずったり、右太ももを何度も揉みほぐしたりするような仕草も見られた。さらに第3ゲーム終了後のチェンジエンドでは座らずにベンチに足を上げ、なんとかケイレンを防ごうとしていた。
シナーはプレーを続行したが、ブレークを許した第5ゲーム終了時のチェンジエンドではとうとう自力で動けなくなり、トレーナーに支えられながらベンチへ。程なくしてシナーが途中棄権を申し入れ、2時間36分にも及ぶ死闘に終止符が打たれた。思わぬ形で勝利したフリークスポールは試合後のインタビューで次のようにシナーを気遣うコメントを残している。
「本当にこういう形で勝つことは望んでいない。事実、今回の上海は本当に過酷なコンディションだ。夜の時間帯に試合ができたのはラッキーだったけど、2時間36分の死闘の末に棄権を余儀なくされた彼には本当に同情するし、早い回復を願っている」
フリークスポールの指摘通り、今年の上海オープンでは多くの出場選手が先述の高温多湿のコンディションに苦しんでいる。各種海外メディアの報道によると、同5日夜に実施された3回戦でヤニック・ハンフマン(ドイツ/同150位)に4-6、7-5、6-3で逆転勝利したノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現5位)もチェンジエンドで嘔吐する姿が見られたという。
また本日6日にアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)との3回戦を戦うアルテュール・リンダークネッシュ(フランス/同54位)は大会期間中のメディア対応で「コート上で呼吸するのが難しく感じる」と発言し、すでにベスト16進出を決めているジオバンニ・ペチ・ペリカール(フランス/同37位)も3回戦勝利後の記者会見で「コートで死ぬかと思ったくらいきつかった」とコメントしたとのことだ。
シナーに関しては先週優勝した「中国オープン」(中国・北京/ハードコート/ATP500)での連戦による疲労に加え、先日「下痢による軽度の脱水症状」に見舞われたことも今回の途中棄権の引き金になったと考えられる。これで2年連続の年間1位は厳しい状況となったが、今は何よりも彼の早い回復を願いたい。
文●中村光佑
【動画】シナーVSフリークスポールの「上海マスターズ」3回戦ハイライト
【関連記事】「彼らは確かにすぐそこにいる」名コーチがシナー、アルカラスの支配を脅かすであろう若手3選手を明かす<SMASH>
【関連記事】シナーが中国オープンで2度目の優勝! 史上3人目の複数回制覇に「ここは僕にとって特別な場所」<SMASH>
ATP(男子プロテニス協会)公式サイトによると、シナーのリタイアの理由は「右太もものケイレン」とされており、酷暑と高湿度による厳しいコンディションの中、7-6(3)、5-7、2-3となったところでプレーを続けられなくなった。
シナーは第2セット終盤から身体的不調に見舞われ、ファイナルセットではポイント間で足を引きずったり、右太ももを何度も揉みほぐしたりするような仕草も見られた。さらに第3ゲーム終了後のチェンジエンドでは座らずにベンチに足を上げ、なんとかケイレンを防ごうとしていた。
シナーはプレーを続行したが、ブレークを許した第5ゲーム終了時のチェンジエンドではとうとう自力で動けなくなり、トレーナーに支えられながらベンチへ。程なくしてシナーが途中棄権を申し入れ、2時間36分にも及ぶ死闘に終止符が打たれた。思わぬ形で勝利したフリークスポールは試合後のインタビューで次のようにシナーを気遣うコメントを残している。
「本当にこういう形で勝つことは望んでいない。事実、今回の上海は本当に過酷なコンディションだ。夜の時間帯に試合ができたのはラッキーだったけど、2時間36分の死闘の末に棄権を余儀なくされた彼には本当に同情するし、早い回復を願っている」
フリークスポールの指摘通り、今年の上海オープンでは多くの出場選手が先述の高温多湿のコンディションに苦しんでいる。各種海外メディアの報道によると、同5日夜に実施された3回戦でヤニック・ハンフマン(ドイツ/同150位)に4-6、7-5、6-3で逆転勝利したノバク・ジョコビッチ(セルビア/元1位/現5位)もチェンジエンドで嘔吐する姿が見られたという。
また本日6日にアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)との3回戦を戦うアルテュール・リンダークネッシュ(フランス/同54位)は大会期間中のメディア対応で「コート上で呼吸するのが難しく感じる」と発言し、すでにベスト16進出を決めているジオバンニ・ペチ・ペリカール(フランス/同37位)も3回戦勝利後の記者会見で「コートで死ぬかと思ったくらいきつかった」とコメントしたとのことだ。
シナーに関しては先週優勝した「中国オープン」(中国・北京/ハードコート/ATP500)での連戦による疲労に加え、先日「下痢による軽度の脱水症状」に見舞われたことも今回の途中棄権の引き金になったと考えられる。これで2年連続の年間1位は厳しい状況となったが、今は何よりも彼の早い回復を願いたい。
文●中村光佑
【動画】シナーVSフリークスポールの「上海マスターズ」3回戦ハイライト
【関連記事】「彼らは確かにすぐそこにいる」名コーチがシナー、アルカラスの支配を脅かすであろう若手3選手を明かす<SMASH>
【関連記事】シナーが中国オープンで2度目の優勝! 史上3人目の複数回制覇に「ここは僕にとって特別な場所」<SMASH>